人の話を聞かずに、自慢話や昔話を延々と続ける人に困った経験はないだろうか。相手が先輩や上司だと、話を遮ることもできず、気づけば貴重な時間や気力を奪われてしまうこともある。では、相手を不快にさせず、自然に会話の主導権を取り戻すにはどうすればいいのか。世界で話題となり、日本でも20万部を超えるベストセラーを生んだジル・チャン氏が、人間関係で損をしないための実践的なコミュニケーション術を解説する。(初出:2025年4月15日)
ジル・チャン氏 Photo by Wang Kai-Yun
「境界線」を引いて、主導権を握る
たとえば、よく上司が夜にLINEを送ってきて、次の日の朝に、「昨日、既読になってたのに、なんですぐに返信しないの?」と訊いてきたら、誰だってうんざりするだろう。
でも相手は上司だ。どうする?
多くの国でのマネジメント経験を持つキャリアコーチ張敏敏(チャン・ミンミン)は、「境界線」を引くことを勧める。
この場合なら、上司に「退勤後の連絡には、すぐに応えられるとは限りません。でも寝る前には必ずチェックするようにします。それで次の日に対応して、午前中にはご報告します。いかがでしょうか?」と話してみよう。
こうでもしなければ、毎度LINEを読んですぐに返信する羽目になるし、こういう働き方でも大丈夫なのだと勘違いして、上司はあなたに常時待機を期待するようになるだろう。
いったん同意して、「質問」する
議論の最中に、先輩風を吹かせたがったり、過去の功績を自慢したり、自分が輝いていた時代について延々と話し続けようとしたりする人がいる。
そんな相手には、あなたの時間と精神を守るために、境界線をうまく使おう。相手の話に同意したら、そこで境界線を引き、質問で話題を切り替えるのだ。
そうすれば話を断ち切れるだけでなく、話題を自分のベクトルに転換することができる。
たとえば、「たしかにむかしといまでは、まったく違いますね。では、先ほどお話ししたチャネルマーケティング・プログラムをサポートするのに、どのようなリソースがあると思いますか?」というように。
職場では、さまざまな人間関係に心が疲れてしまうことも多いだろう。境界線を引いて自分を守ることが、長期的にうまくやっていくコツだ。
(本記事は、ジル・チャン著『「謙虚な人」の作戦帳』からの抜粋です)



