ビジネスパーソンに話をするスーツ姿の男性写真はイメージです Photo:PIXTA

「ストレスはできるだけ避けたほうがいい」。そう考える人は少なくない。しかし、多くの経営者がキャリアを振り返るとき、「最も役に立った経験」として挙げるのは、むしろ大きなプレッシャーや困難に直面した「修羅場体験」だという。ストレスは本当に成長を妨げるだけの存在なのか。仕事とストレスの意外な関係に迫る。※本稿は、人事・組織コンサルタントの相原孝夫『その悩み、ハイパフォーマーならこうするね』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。

ストレスと健康の 意外すぎる関係

 ストレスについての研究を長年行ってきている健康心理学者のケリー・マクゴニガルは、ストレスは害であると考えていましたが、ある研究結果をきっかけにストレスに対する考え方を変えたのだと著書の中でいっています。

 その研究結果というのは、1998年に米国で、3万人の成人を対象に行われた調査でした。

「この1年間でどれくらいのストレスを感じましたか?」、「ストレスは健康に悪いと思いますか?」、この2つの質問をして、8年後に3万人のうち誰が亡くなったかを調査したのです。

 その結果、強度のストレスがある場合には、死亡リスクが43%も高まっていたことがわかりました。ただし、死亡リスクが高まったのは、強度のストレスを受けていた人の中でも、「ストレスは健康に悪い」と考えていた人たちだけだったのです。

 強度のストレスを受けていた人の中でも、「ストレスは健康に悪い」と思っていなかった人たちには、死亡リスクの上昇は見られませんでした。それどころか、そう考えるグループは、調査をした人たちの中で最も死亡リスクが低かったのです。ストレスがほとんどない人たちよりも死亡リスクが低かったわけです。