「ついヤバいと言ってしまう」「自分の考えをうまく言葉にできない…」。
言いたいことがないワケではないのに、うまく言葉にできない。あなたにも、そんな悩みはありませんか?
小学校から企業研修、さらには少年院まで、さまざまな現場で教えてきた小説家が教える、世界一やさしい「言語化」にまつわる授業。知ってしまえば、今は語彙力ゼロでも、話し下手でも、「自分の言葉」でちゃんと話せるようになれてしまう!
本記事では、ライターの柴田賢三氏に、『小学生でもできる言語化』をもとにご寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社・秋岡敬子)
Photo: Adobe Stock
サッカーファン以外も夢中にさせる「本田語録」
「スンッと」
サムライブルーの快進撃で盛り上がるサッカーW杯(ワールドカップ)の解説で、元日本代表の本田圭佑さんが使った言葉です。
日本時間6月21日にメキシコ・モンテレイスタジアムで行われたチュニジア戦で、上田綺世選手が芸術的なループシュートをヘディングで決めた際に飛び出しました。
冒頭の言葉で、本田さんが何を表現したかったかというと、上田選手へのクロスを上げた佐野海舟選手の「やわらかなボールタッチ」でした。
ラインぎりぎりまで走り込んだ佐野選手が、折り返しでゴール前の上田選手にラストパスを上げたとき、自分のスピードをいったん殺してふわりと浮かせた球、それを可能にした足先の動きを表現したのです。
「すぅばらしいっ! 佐野さんのこのボール見てください! スンッと。スンスンッて感じでしたね」
普通のサッカー解説者なら、まず使わない表現ですが、この日の本田さんは“名言”を連発。
試合開始早々に鎌田大地選手がヒールで先制点を奪ったときには、こんな表現をしていました。
「鎌田さん、うま~! 左足ぴょんやって!」
「うまい言葉」より、「自分の言葉」は尊い
『小学生でもできる言語化』という本では、著者で小説家の田丸雅智氏が、自分の飼っている猫「こさめ」について、こんな表現をしています。
鳴き声は、ニャアというより「ナァ」。遊んでほしいときやおやつがほしいときは「ナァ」と鳴いて、ぼくのことを呼んできます。
――『小学生でもできる言語化』より
猫の鳴き声は一般的には「ニャア」ですが、田丸氏は「ナァ」と表現。
怒った声も「シャー!」ではなく、「シャァッ!」と書いてくれているおかげで、こさめの性格まで伝わってくる気がしました。
本田さんの言葉も、普通の解説者が使ったら、視聴者から「わかりにくい」とか「抽象的すぎる」と怒られそうな表現ですが、自身もW杯で芸術的なフリーキックなどを披露した彼なら許される。
まさに本田さんにしかできない言語化でした。
優勝を目指す日本代表の戦いは、まだまだ続きます。
次はどんな表現が「本田語録」に追加されるのか、楽しみです。
(本記事は、田丸雅智著『小学生でもできる言語化』をもとに作成しました。)









