アイスコーヒーシェイクに使用されるプロテインパウダーアイスコーヒーシェイクに使用されるプロテインパウダー
PHOTO: ALISHA JUCEVIC FOR WSJ

 食品メーカーがポテトチップからパン、チョコレートバーに至るまであらゆる製品にタンパク質を詰め込んでいる。その結果、業界にとって主力の添加物が今にも底をつきそうだ。

 濃縮乳清タンパク質(WPC)は、スポーツドリンクや乳児用粉ミルクの栄養価を高めるために長年使われてきた粉末で、タンパク質含有量が多い。スナック食品会社は、減量薬のGLP-1受容体作動薬を使用している人々を含め、タンパク質に取りつかれた米国の消費者を引き付けようと、この原料を買い込んでいる。

 しかしタンパク質入りのシリアルや筋肉を増やす効果のあるアイスクリーム、主要栄養素のバランスを高めたポップコーンまで登場し、乳清タンパク質は現在の供給量では市場に行きわたらないのが現状だ。

 市場調査会社ベスパーのデータによると、タンパク質含有率が80%で非常に人気の高い濃縮乳清タンパク質「WPC80」の価格は、米国で1ポンド(約454グラム)当たり13ドル(約2100円)を超える歴史的な高値にまで急騰した。これは1年前の価格の約3倍だ。

 ベスパーのデータによると、濃縮乳清タンパク質をさらに加工した、タンパク質含有率がより高い分離乳清タンパク質(WPI)は価格が約50%上昇した。

「これほど値上がりが激しく、先が見えない状況は経験したことがない」。カリフォルニア州サンタモニカに拠点を置くタンパク質食品会社レジェンダリー・フーズの業務責任者、ダレン・ブラッドショー氏はこう話した。コスト上昇に対応するため、タンパク質を詰め込んだ焼き菓子を製造する同社は早くも、この2年で2度目となる値上げを見込んでいる。

 膨らんだコストを受け入れざるを得ない食品会社は、調達できるだけ幸運だ。原料メーカー各社によると、供給可能な分はすでに売り切れているか、長年の顧客用に確保されているか、来年までの契約で行き先が決まっているかだという。

「(買い手の)誰かが押さえていた商品をキャンセルしても、代わりに欲しがる人が5人はいる状況だ」。ミズーリ州セントルイスの乳製品商社、T・C・ジェイコビー・アンド・カンパニーで市場情報部門の責任者を務めるマイク・ブラウン氏はこう語った。