ここにきて米国株式市場でS&P500が過去最高値を更新したが、日経平均は乱高下している。
こんなとき、「貯金」か「投資」か、何を軸に判断したらいいのか? そこでライターの米多寿樹氏が「貯金と投資の名著」を厳選。「読むと人生が変わる」「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書」と絶賛されているベストセラー『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』のエッセンスを特別配信する。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

数年来「投資に踏み出せなかった人」でも投資を始めたくなる1枚の図とは?Photo: Adobe Stock

なぜ今すぐ投資すべきか?

投資による資産運用を始めるかどうか。迷いながらインターネットをつらつらと眺めていたら、この記事に辿り着いたあなた。
ここで『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』(ダイヤモンド社)の第10章の記述を元に、私と手を動かしてみようではないですか。

パーソナルファイナンスと投資についての知恵を詰め込んだ本書。第10章から本の内容は第2部「投資力アップ篇」に突入する。第2部の開幕で改めて問われるのが、「なぜ投資すべきか?」……すなわち、投資すべき理由だ。

「老後に備える」「インフレから資産を守る」という新NISAがスタートした頃から日本のメディアでもよく紹介されている論点に続いて、本書が挙げる最後の理由が、「『人的資本』を『金融資本』に置き換えるため」だ。

ここで「人的資本」という言葉の定義は、「あなたの技能、知識、時間の価値」。技能や知識が生涯向上するとしても、時間は確実に減っていく。つまり下記の図表のように「人的資本」はどうしても将来的に減少せざるをえない。だからこそ、早めに「人的資本」を「金融資本」に置き換えておくことで富の減少に抗うのだ。

下の図を見てほしい。
これを見た瞬間、数年来、投資しようと思いながらしてこなかった本書の編集者は、「これを見ても投資を始めなかったら一生投資しない人生になる。今すぐ始めねば!」と投資をスタートしたという。それだけインパクトのある図なのだ。

人的資本の現在価値

 未だ多くの資産を現金で保有している日本人にとって、「人的資本」を「金融資本」に置き換えるという考え方自体を知るだけでも貴重だが、改めてこれを具体的な信頼性の高いデータで検証してみせるのが本書のポイントだ。

自分の「現在価値」の計算法

現在価値とは、将来得られると想定される収入額を、現在の価値に置き換えたものだ。
たとえば、銀行の金利が年率1%の場合、100ドルの預金は1年後に101ドルに増える。この論理を逆に適用すれば、1年後の101ドルには100ドルの現在価値があるといえる。
この場合、将来の101ドルを1%の利率で割り引くことで現在価値が算出されている。これは一般的に「割引率」と呼ばれる。たとえば、人身傷害によって働けなくなった人の収入の損失額を評価する場合、弁護士は1~3%の割引率を適用して計算する
したがって、将来に得られるはずの収入と割引率がわかっていれば、その収入にどれだけの現在価値があるかを計算できる。
――『JUST KEEP BUYING』より

このあと、本書ではドル単位で、現在価値とそれに基づいた「生涯働かなくていい」と思えるだけの金額の計算を具体的に試みているのだが、これが日本人の感覚では直感的にわかりにくい。

というわけで、次回、この円単位で改めて計算してみようと思うが、今回紹介した、早めに「人的資本」を「金融資本」に置き換えておくことで富の減少に抗うというメッセージだけは忘れないようにしたいと思った。