小学校から企業研修、さらには少年院まで、さまざまな現場で教えてきた小説家が教える、世界一やさしい「言語化」にまつわる授業。本記事では、子どもも読めて、大人に刺さる『小学生でもできる言語化』をもとに、「何回説明しても、伝わらない人の特徴」について、ライターの柴田賢三氏にご寄稿いただいた。(企画/ダイヤモンド社・秋岡敬子)
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「背が低い」だけでは伝わらない
「うーん、柴っちゃんぐらいかな」
若い頃に通っていたスナックで、美人のママさんから言われた一言です。
その日、ママさんが「気になっている男性がいる」という話題になり、常連客たちが「どんな男?」と興味津々に聞き出していたときに飛び出した言葉でした。
ママさんは、
「顔はブラッド・ピットに似ているイケメン」
「性格は、これまで会ったどの男より優しい」
「仕事もデキると評判」
などと、お気に入りの男性の特徴を次々と挙げ、まだ付き合ってもいないのに自慢げに話していました。
「だけど……」と、表情を曇らせて、こう続けたのです。
「背が低いんだよね。私、背が低い男はダメなのよ」
何回説明しても伝わらない理由
常連客の一人が、「どれくらい?」と聞くと、冒頭のように「私(柴田)と同じくらい背が低い」と説明したというわけです。
常連客たちの目が一斉に私に注がれ、「あー、そりゃ残念」という言葉とともに爆笑が起こりました。
『小学生でもできる言語化』という本では、著者で小説家の田丸雅智氏が、イラストのテーブルを言語化するトレーニングを紹介。
同時に、「言葉には限界があります」として、こう書いています。
――『小学生でもできる言語化』より
いわゆる「百聞は一見にしかず」というやつです。
伝わる人は、「たとえ」を使う
スナックのママさんは、気になる男性の特徴を次々と言語化していきましたが、お相手の身長だけは、わかりやすく私と「同じくらい低い」と表現。
ママさん狙いの常連客たちからグイグイくる質問を爆笑でかわし、店の雰囲気を一気に変えてみせたのです。
「さすがはプロ」と、聞いた人をうならせるエピソードですが、ネタに使われた私はたまったものではありません。
気づくとウイスキーがテキーラになり、意識が飛ぶまで痛飲したことだけは覚えています。
(本記事は、田丸雅智著『小学生でもできる言語化』をもとに作成しました。)








