「地頭」を鍛えたいと思っても、今さら変えられないものと思われがちだ。だが、多くの社員を育成してきた東証プライム上場社長の木下勝寿氏は新刊『地頭スイッチ』で、「地頭はセンスではない。スイッチの押し方さえわかれば変えられる。AI時代になればなるほど『地頭』が重要になる」という。
そんな木下氏が考える「自分の仕事を過小評価しすぎている人に共通する特徴」とは? ライターの照宮氏がレポートする。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

自分の仕事を過小評価しすぎている人に共通する特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

何年経っても評価は入社時のままの私

以前、小さな出版社で経理をしていた時期がある。ボーナスはなく、給与も低かった。
仕事はひととおりこなしてきたし、会社のお金の流れを一手に管理していた。
それでも、自分への評価は入社時からまったく変わらなかった。

帳簿を見ていれば、営業職の給与が上がっていくのがわかる。
売上を取ってくる彼らに対価が支払われるのは、理屈としては当然だ。

一方で、自分の仕事が会社の売上にどうつながっているのか、説明できなかった。
だから営業職との差は仕方ないと、どこかであきらめるようになってしまった。

自分の仕事の価値は、どこで決まるのか

再現性のある思考法で幅広い支持を得る木下勝寿氏は新刊『地頭スイッチ』でこう述べている。

仕事の価値は、目前の作業内容だけで決まるわけではなく、ビジネス全体でどの工程を支えているかにより決まります。
一見すると小さな仕事が、結果として何億円もの価値につながることは実際に起きているのです。
――『地頭スイッチ』より

その後、その会社を辞めることになったが、後任の入れ替わりが激しく、泣きつかれたこともあった。
「辞めてからそんなことを言われても……」、と苦笑いするしかなかった。

直接売上を生まない仕事は、どんな会社にも存在する。
経理、総務、人事――そういった仕事は、成果が数字では見えにくい。でも入金が管理されなければ資金繰りは崩れ、労務が機能しなければ営業は動けない。地味に見える仕事が、売上を生む土台になっているのだ。

自分の仕事がどこにつながっているか?

自らの仕事の価値は、他者の評価ではなく、ビジネス全体のどこを支えているかで決まる。それを把握しているかどうかで、仕事への向き合い方はまるで変わってくる。

地頭の鍛え方を説く本だと思って手に取ったが、自分の仕事の価値の測り方まで教えてくれる一冊だった。