「地頭」を鍛えたいと思っても、今さら変えられないものと思われがちだ。だが、多くの社員を育成してきた東証プライム上場社長の木下勝寿氏は新刊『地頭スイッチ』で、「地頭はセンスではない。スイッチの押し方さえわかれば変えられる。AI時代になればなるほど『地頭』が重要になる」という。
そんな木下氏が考える「成長実感がない人の共通点」とは? ライターの照宮氏がレポートする。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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入社初日に教わった、想定外の業務
転職した出版社は、スピリチュアル系とビジネス系を両方手掛ける、少し変わった会社だった。
最初に教わった仕事は、朝の掃除と、クリスタルファウンテンに水を入れてスイッチを入れることだった。
クリスタルファウンテンとは、水の力で水晶が回転し、光と水音で空間を整えるインテリアだ。スピリチュアル界隈では場のエネルギーを整えるものとして知られている。
毎朝スイッチを入れながら、この仕事に何の意味があるのだろう、とずっと思っていた。
成長実感がない人の特徴
ビジネス書の読者から圧倒的支持を集める木下勝寿氏は、著書『地頭スイッチ』の中でこう述べている。
では、なぜ来訪者に気持ちよくすごしてもらう必要があるのかさかのぼると、「今後当社との関係性をよくするため」という目的が見えてくる。
――『地頭スイッチ』より
当時の社屋は皇居の外堀沿いにあり、日当たりがよかった。それに加え、毎朝の掃除と絶えず流れるクリスタルファウンテンの水音があった。
そのおかげなのか、打ち合わせで訪れた著者や取引先から「気持ちのいい職場ですね」と言われることが多かった。
花でも水晶でも、それ自体が目的ではない。目的をさかのぼっていけば、事業の成果につながっている。
だが、「バリバリ仕事をしているように見えても成長実感が乏しい人」は、本書にある「目的さかのぼりの法則」をしない人が多いのだろう。
日々の仕事の目的を見失いかけている人へ
日々こなしている業務のほとんどは、何かの目的のための手段だ。
会議の準備も、資料作成も、雑用と思っていた仕事も同じだ。
その目的をどこまでさかのぼれるかが、仕事の質を決める。
目的を理解して動くと、こなすだけでは見えなかった改善や工夫が自然と見えてくる。地頭をよくしたいと思って手に取ったが、日々の仕事の意味を問い直すきっかけも与えてくれる一冊だ。








