「地頭」を鍛えたいと思っても、今さら変えられないものと思われがちだ。だが、多くの社員を育成してきた東証プライム上場社長の木下勝寿氏は新刊『地頭スイッチ』で、「地頭はセンスではない。スイッチの押し方さえわかれば変えられる。AI時代になればなるほど『地頭』が重要になる」という。
そんな木下氏が考える「AI時代に結果を出し続ける人のすごい思考法」とは? ライターの照宮氏がレポートする。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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追いつめられたふたり
時折、友人の会社で制作の手伝いをしている。あるとき、カードゲームに付属する説明書の冊子をつくることになった。
印刷会社に出すには専用のレイアウトソフトが必要だ。以前はそれを扱えるスタッフがいたが、辞めてしまったという。試しに昔のファイルを触ってみたが、想像以上に難しく、操作するたびにエラーが出る。
かといって、外注すればコストがかかる。スタッフも予算も少ない会社だ。印刷会社に入稿できる形で仕上げなければならないのに、そのための手段が見当たらない。どうしたものかと、ふたりで頭を抱えていた。
仕事の設計を変える発想は、どこから?
ベストセラー著者として、東証プライム上場社長として数々の難しい判断を重ねてきた木下勝寿氏は、著書『地頭スイッチ』の中でこう述べている。
――『地頭スイッチ』より
あのとき私たちが考えていたのは、いかに専用ソフトを使いこなすかだった。
でも友人が見つけたのは、まったく別のルートだった。
誰でも使いやすいCanvaでデザインを仕上げて画像で出力し、それを専用ソフトに貼り付けるだけで入稿できる形になる。
以前所属していた出版社でそんな使い方をしているところは見たことがない。マニュアルにも載っていないし、誰かに教わったわけでもない。使い慣れたツールを組み合わせることで、ソフトを覚える必要も、外注するコストも不要になった。
変化の時代に結果を出す思考法とは?
目的から考えるのではなく、手段から逆算する。そこから見えてくるものが、ビジネスの突破口になる。
革新的な発想は、手元にあるものの組み合わせからも生まれることがある。大切なのは、ツールの使い方ではなく、ツールから何を逆算するかだ。地頭を鍛える本だと思って手に取ったが、仕事の設計を根本から見直させてくれる一冊だった。








