「悩まない人」の頭の中では何が起こっているのか? いま、英語、ドイツ語、スペイン語、オランダ語、ロシア語など世界中から翻訳オファーが殺到している本がある。『「悩まない人」の考え方──1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』だ。本書から学ぶ「一流になるためにやってはいけないこと」とは? ライター柴田賢三氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

「三流」の人Photo: Adobe Stock

高級な寿司屋でもうまくない店はある!

 私は「バカ舌」だ。
 味付けは濃いほどうまく感じ、上品な懐石料理などの席に呼ばれると、最初から近くのラーメン屋を検索しておき、どんなに満腹でも帰りに立ち寄って“口直し”するほどである。

 数年前に勤めていた会社の社長がグルメな人で、何度か高級な寿司屋に連れて行ってもらったことがあるが、私の舌には醤油をビタビタにつけて食べるスシローのほうが合っていた。

 あるとき、その社長がこんなことを言い始めた。

「寿司って、めちゃくちゃ好みが分かれますからね。私はスシローにも行くし、経営者仲間に連れて行かれた高級店の寿司がうまくないと感じることもありますよ。ただ、高級店はどこも雰囲気や接客、大将の技術も含めて、その値段を払う価値はあると感じさせてくれるんですよ。それが一流の仕事というものなんでしょうね」

「二流の情報」を入れるな

『悩まない人の考え方――1日1つインストールする一生悩まないスキル30』の著者で「北の達人コーポレーション」の社長・木下勝寿氏は、「二流の情報を入れるな」と書いている。

まずは自分を「三流」に位置付けする。
三流の人が二流の情報を取り入れてしまうと、その後どうがんばっても二流にしかなれなくなる。「二流の常識」が一流になることを妨げる先入観として作用するからだ。

――『悩まない人の考え方』より

 この一文を読んだとき、私は社会人になったばかりの頃のことを思い出した。
 会社の近くに、当時の上司が行きつけだった街の大衆的な寿司屋があり、毎晩のようにそこで酒に付き合わされていた。

 大将の人柄はよかったが、寿司はまずかった。私がバカ舌だったからではない。そこに連れて行かれたことのある他の先輩社員たちも「あそこはまずい」と言っていたし、常連の上司もつまみはほとんど口にせず、私に「食え」と押し付けていたのだ。

まずい寿司屋の大将の持論

 上司は大将と仲がよく、そこで酒を飲むのは楽しいが寿司は食いたくなかったのだろう。
 だから、若くて貧乏で腹を空かせた私を毎日のように誘い、「腹一杯食っていいぞ」と言っていたのかもしれない。

 申し訳ないが、大将の腕は「二流」と呼ぶのもどうかというレベルだった。
 彼は、新人で「三流」の私に、仕事に向き合う姿勢を熱心に教えてくれたが、ひとつも頭に入らなかった。寿司がまずかったからだ。

 木下氏の本を読んで「二流の常識」に毒されなくてよかったと思い、大将が自慢げに出してくる「まずい太巻き」の味がバカ舌によみがえってきた。