「時間の使い方がうまい人」と「うまくない人」。その差はどこにあるのか?
2025年「ニューヨーク・タイムズ」年間ベスト10となり、佐藤優氏が 「極限を生き抜いた夫婦の悲哀を描いた傑作! 危機を脱するのに必要なのは希望と愛だ」と絶賛した全米ベストセラー『極限の漂流118日間』をもとに、「時間の使い方がうまい人とヘタな人の違い」をライター照宮遼子氏がレポートする。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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何もできない時間に不安が増大する日々
母の肺に薄い影があると言われ、大きな病院を紹介された。
だが、精密検査を受けても、結果が出るまで2週間かかるという。
心配していても、状況を変えることはできない。
ただ待つしかないことが、何よりもどかしかった。
いつもなら気にならない母の声や様子まで、病気の兆候のように思えてきた。
まだ悪いものだと決まったわけではない。
それでも、結果を聞く日が近づくほど、「もし手遅れだったら」と考えてしまう。
何もわからない時間が長いほど、不安だけが先に大きくなっていくものだ。
不安に押しつぶされないために、何ができる?
「決して寝る前に読み始めないこと。一度ページをめくってしまうと止めるのは不可能です」と山口周氏が評した『極限の漂流118日間』(ソフィー・エルムハースト著/村井章子訳)には、遭難直後のマラリンの行動について、こう書かれている。
なんでもいいから刺激になるものを見つけて頭を働かせておくことが必要だ。
忙しくしていることが何より大事だった。(中略)
何かをしていれば、考え過ぎる危険を減らすことができる。
――『極限の漂流118日間』より
船を失った直後、海上でふたりは大きな不安に包まれていた。
モーリスは何をすればいいのかわからず、マラリンも泣いていた。
それでも彼女は朝食を用意し、読書を提案し、所持品と食料を確認していった。
マラリンは不安を消していたわけではない。
怖さがあるからこそ、何もしない時間をそのままにしなかったのではないか。
人は何もできずにいると、考えは同じ場所を何度も巡ってしまう。
そんなときは、別のことに頭を使い、意識を向ける先をつくることが必要になる。
不安が消えない夜を過ごしている人へ
心配事があると、気持ちが落ち着くまで何も手につかなくなることがある。
けれど現実には、不安がすっかり消えるまで待ってはいられない。
心配事を抱えたまま食事をして眠り、次の日を迎えなければならないこともある。
本書に描かれているのは、恐怖を克服した人の姿ではない。
気持ちが揺れたままでも、その日の生活を止めずに続けていく姿である。
先の見えない時間にも、自分なりの過ごし方は確実にある。








