小学校から企業研修、さらには少年院まで、さまざまな現場で教えてきた小説家が教える、世界一やさしい「言語化」にまつわる授業。本記事では、子どもも読めて、大人に刺さる『小学生でもできる言語化』をもとに、「つい、ダラダラ話してしまう人の特徴」について、ライターの小川晶子氏にご寄稿いただいた。(企画/ダイヤモンド社・秋岡敬子)

「つい、ダラダラ話してしまう人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

「面白さを伝えたいのに、挫折したこと」はありませんか?

 小学生の息子が、ある短編小説を読んで「面白かったよ。これまで読んだ中でベスト5に入ると言ってもいいくらい」と言うので、「どんな話なの?」と聞いた。

「えっと…ある男が、ある場所に行って師匠と女と弟に会って……」

 粘り強く聞いていたが、要領を得ない説明に混乱してしまい「師匠って何の師匠?弟って誰の?」とたずねた。

「……確認する」

 息子は本を開き、書いてあること読んで伝え始めた。

 そして半分くらい読んだところで「けっこう長いな」と言って投げ出してしまった。

 面白さを伝えたいけれど、面白さのポイントを絞れず、全部伝えることになって挫折したのである。

語彙力と言語化力は違う

 読書家の息子は決して語彙力が低いほうではない。

 自分の体験について書いた作文は上手だと思うし「よくこんな表現を知っているね」と先生にコメントをもらっている。

 語彙力と、言語化力とは違うなとあらためて感じた。

「ダラダラ話してしまう人」の特徴

『小学生でもできる言語化』の中には「言語化に課題のある4つのタイプ」が紹介されている。

 私の息子は「うまく言葉にできるときとできないときがあるタイプ」に当たるかもしれない。

 考えたことや感じたことをうまく言語化できるときもあれば、できないときもあるというムラのあるタイプです。(中略)
 たとえるなら、言葉のブロックを使ってお城はいつでも完璧につくれるものの、ほかのもの、たとえば車などになるとうまくつくれないという感じです。

――『小学生でもできる言語化』p.58

 伝えるべきポイントが決まっているときは言語化できるけれど、そうでないときはどこから手をつければいいかわからなくなってしまう。

 全部言わなければと思って挫折してしまうのだろう。

 これは自分にも心当たりがある。

「主役」を決めて、話を組み立てる

 では、どうすれば良いのだろうか。

 本書では「主役決め」という言葉で解説している。

 たくさんある情報のうち、主役をひとつ決めてから話を組み立てるのである。

 たとえば「主人公の男が、化け物を見て大慌てで逃げ帰ったのが面白い」というのが主役だ。

 その主役を伝えるために必要な情報をピックアップしてみる。

「男は、女を通じて師匠と呼ばれる怖い男に会った。その師匠は、馬にお灸をすえる師匠で、男はなりゆきで弟子になることになった。男は逃げ出したいのになかなか言い出せず、どんどん怪しい道に誘い込まれる。最終的には化け物を見て逃げ出した」(内田百閒『尽頭子』をもとにした例)

 そんなふうに組み立てれば、伝えたいことが伝えられるはずだ。

 息子と一緒に「主役決め」の練習をしてみようと思う。