「ヒートショック」と聞くと、多くの方は冬場の寒い時期、お風呂場と脱衣所の温度差で起こるものだと思い浮かべるのではないでしょうか? もちろん寒い季節は多発しますが、実はそれだけではありません。季節を問わず、私たちの身近に潜む命に関わる危険について、しっかりと知っておく必要があります。交通事故の3倍以上ともいわれる浴室での知られざる危険から身を守り、今日から実践できる温かな入浴対策をご紹介します。
※本稿は『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。

【脳の専門医が警告】「まさか暑い時期でも起きるなんて…」ヒートショックを招くNG習慣・ワースト1Photo: Adobe Stock

「ヒートショック」は冬だけのもの?

「ヒートショック」という言葉を、冬場の入浴時に注意することだと思っていませんか? 確かに寒い季節に多発しますが、実は夏の猛暑下でも起こり得る、命に関わる危険な状態なのです。
――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』より

エアコンがガンガンに効いた涼しい室内から、容赦なく照りつける猛暑の屋外へ出たとき。あるいはその逆で、汗だくの状態でキンキンに冷えた部屋に入ったとき。こうした激しい温度変化は、冬場と同様に体に凄まじい負担をかけています。

ヒートショックは冬の入浴時特有の現象ではなく、夏のエアコン社会においても十分に起こり得るものなのです。

温度差が引き起こす「血圧のジェットコースター」

では、なぜ急激な温度変化がこれほどまでに危険なのでしょうか? そのメカニズムは、体内の血管の急激な収縮と拡張にあります。

そもそもヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧がジェットコースターのように乱高下することです。
◯寒い場所へ行くと:血管が縮み、血圧が急上昇
◯暑い場所へ行くと:血管が開き、血圧が急降下

――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』より

気温が低い場所では体温を逃がさないために血管がキュッと縮まり、血圧が一気に跳ね上がります。逆に暑い場所では体温を外に逃がすために血管が広がり、血圧が急降下します。

この血圧の乱高下こそが、心臓や脳の血管に大きなダメージを与える原因となります。

10℃の温度差が脳と心臓を脅かす

一般的に、10℃以上の急激な温度差にさらされると、脳や心臓の血管に大きな負担がかかり、脳卒中 or 心臓病のリスクが跳ね上がります。特に高血圧の方は、もともと血圧が変動しやすいため、細心の注意が必要です。
――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』より

私たちが日常生活で「10℃以上の温度差」を体験することは、夏冬問わず決して珍しくありません。特に高血圧の方や血管の老化が気になる世代にとって、この急激な血圧変動は脳卒中や心筋梗塞といった重大な疾患の引き金になり得ます。

日頃から室内の温度設定を見直す、急に外へ出入りする際に一枚羽織るなど、温度差をなるべく緩やかにする工夫が大切です。季節を問わず血管への配慮を忘れず、健康で安全な毎日を守りましょう。