部屋を片付けなければ、と思いながら、つい先延ばしにしてしまう。気づけば着ていない服や、「いつか読もう」と積み上がった本がそのまま……。人生の後半を身軽に生きるためにも、少しずつ整理を始めたいと思いながら、一歩が踏み出せない人も多いのではないだろうか。実は、その先延ばしの習慣こそが、人生を停滞させる原因かもしれない。今回は、話題の書籍『人生アップデート大全――停滞した自分を変える66の習慣』(池田貴将著)をもとに、ライター・柴田賢三氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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「これはゴミじゃない」。片付けが苦手な母親
私の母親は「片付け」が苦手な人だ。
実家に帰るたび、母を説得してある程度の不用品は処分しているが、次に帰省するとまたどこからかゴミを引っ張り出してきていてキリがない。
本人は、「片付けるために押し入れから出して整理している。あんたたちに迷惑をかけないようにする終活の一環だ」という。
でも、中身を広げるだけ広げて途中で嫌になるのか、結局は足の踏み場もない状態になっている。
きれい好きな父はあきらめていて、「ゴミ屋敷にはもう慣れた」と苦笑いしていた。
母親の抵抗にあいながらも、兄弟で実家掃除を「決行」
そんな父も昨年亡くなり、兄の家族と実家の片付けを決行をした。
母は「それは高級品だから」「こっちは、あのときの思い出が……」と抵抗してきたが、ゴミにしか見えない品々を、借りてきた軽トラに載せて何回も処分場を往復。
自宅を訪れる弔問客に不快な思いをさせないレベルにまで片付けると、父が突然いなくなって気落ちしていた母も「スッキリした」と言ってくれた。
実家を片付けたおかげで、事務処理能力が上がった母
停滞した自分を変える指南書『人生アップデート大全』の中には、「毎日5分だけ掃除する」という項目がある。
同時に視野に入った複数の刺激は、脳内でたがいに競合し、処理効率が落ちるからです。」
――『人生アップデート大全』より
この一節を読んで、私は母の変化を思い出した。
父が亡くなったあと、母は銀行や役所での手続きなど、やるべき事務処理を次々と先送りにしていた。私と兄で書類を整理し、「ここに署名しておいて」と頼んでも、なかなか手をつけない。
「私だって忙しい」が母の口癖だったが、無職で年金暮らしの母に言われても、正直なところ説得力は感じられなかった。
しかし、兄弟で実家の不用品を整理し、家の中がすっきりしたあと、不思議な変化があった。母が必要書類にも以前よりスムーズに取り組むようになり、事務処理のスピードも明らかに上がったように感じたのだ。
あの変化は、単に家がきれいになったからではない。散らかった環境が、母の気力や判断力まで少しずつ奪っていたのかもしれない。
終活で苦労しない人の特徴:毎日コツコツ掃除する
私も掃除は得意ではない。
だが、実家の片付けをきっかけに、自宅も少しずつ整理するようになった。すると、以前より仕事に集中しやすくなった気がする。
休日にまとめて片付けようと思うと、どうしても腰が重くなる。中高年以降なら、なおさらだ。
だからこそ、1日5分だけでもいい。毎日少しずつ片付ける習慣をつくれば、物はたまりにくくなる。余計なものが視界に入らなくなれば、気力や集中力も保ちやすい。
人はいつ何が起こるかわからない。
日頃から身の回りを整えておけば、自分もラクになり、いざというとき家族に負担をかけずに済む。
それこそが、無理のない終活の第一歩なのだ。











