「人生の意味とは?」誰もが一度は考えたことがあるこの問いを、10年以上かけて世界の1000人以上の人に投げかけ、答えを集め続けたジェームズ・ベイリー氏。数多くの人の言葉に触れた末、彼はどんな答えに辿り着いたのか。著書『人生の意味――世界のあらゆる一流に教えてもらった105の答え』の日本版刊行に合わせて緊急来日した著者に話を聞いた。(構成:田中裕子、写真:山口真由子)

ジェームズ・ベイリー氏 ジェームズ・ベイリー氏

今日、すばらしいことが起こるかもしれない

――本書のプロジェクトを通じて、ベイリーさんは100以上の「人生の意味」を受け取りました。そのすべてに目を通した今、ご自身が「人生の意味は?」と問う手紙を受け取ったら、どのように返信しますか?

ジェームズ・ベイリー氏(以下、ベイリー):旅や冒険。世界に好奇心を持ち、その世界を受け入れること。これが、私の人生にとって大切なものです。

 ……ただ、正直に言えば、人生の意味は「究極的には分からない」というのが、このプロジェクトを通して辿り着いた現時点の私の答えです。

 このプロジェクトを始めたころの私は、人生の意味が分からないことに苦しんでいました。明確な答えを持たなくては前に進めないと考えていたのです。でも今は、分からないことはたいした問題ではないと考えています。むしろ、分からないまま生きていることに満足しています。明日何が起きるのかすら見えないことに、とてもわくわくしているのです。

 人生は、映画やテレビドラマに似ています。ドラマの第一話で、「これから起きることをすべて教えてほしい」なんて思わないでしょう? 思ってもみないことが起こり、意外な人やモノと出会えるからこそ人生は楽しいのです。しかも人生はドラマと違い、自分がリアルに体験できるわけですから。

 本の中で、私がとても気に入っている考え方があります。それは、「明日は、また新しいチャンスをもたらしてくれる」というものです。

 毎朝、サイコロを振るように一日が始まります。その日に何が起きるかは分かりません。夢中になれるものが見つかるかもしれないし、生涯を共にしたいと思える相手に出会うかもしれません。私たちの人生には、いつだって、思いがけないすばらしいことが起きる可能性があるのです。

「最悪なこと」も見かけほど悪くはない

ベイリー:もちろん、困ったことや絶望的な出来事が起こることもあるでしょう。心が折れてしまう日だってある。でも、人生とは、先まで進んでみなければそのできごとの良し悪しを評価できないものです。さかのぼればこの本の出版も、祖父が亡くなったことや、私自身の失業と手痛い失恋から始まりました。誰が見ても、どれも「最悪な出来事」でしょう。

 けれど、それらがなければ私はこの本を書いていませんし、こうして来日してお話しすることもなかったはずです。一見悪い知らせに思えても、それが後々、いい結果につながることはたくさんあります。ですから、絶望せずに人生という道を進み続けましょう。

――日本の読者にメッセージをお願いします。

ベイリー:本書がイギリスで出版されてから、ホームページを通じてたくさんの感想メールや「私の人生の意味は……」と書かれたメッセージを受け取り、「人生の意味収集家」になった気分です。日本のみなさんの人生の意味も、ぜひ知りたいです。お待ちしていますね。