長い人生を歩んできた末に、充実した晩年を送れる人がいる一方で、なぜかむなしさにとらわれてしまう人もいる。では、晩年を豊かに生きるためには何が必要なのか。世界中の著名人や識者に「人生の意味」を尋ねた『人生の意味――世界のあらゆる一流に教えてもらった105の答え』から、人生の後半で大切にしたいことを紹介する。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)
Photo: Adobe Stock
お金と健康だけではどうにもならない
老後、これといった不自由はないのに、なぜか心が満たされず、むなしさを感じるようになる人がいる。お金や健康だけでは、豊かな晩年は約束されないのだ。その背景をたどっていくと、現役時代からの「自分中心」の生き方が、思わぬ影を落としていることがある。
若い頃は「自分中心」の目標だけで走りきれたかもしれない。しかし、会社や家庭において役割を失った人生の後半、自分にしか関心がない生き方は急激に色褪せる。世界の先達に生きる意味を尋ねた書籍『人生の意味』において、において、ある寄稿者はこう語っている。
孤独の危険性は医学研究でも示されているよ。「『私は孤独だ』と答えた女性は、活発な社会生活を送る女性と比べて、心臓発作から1年以内に死亡する確率が3倍高かった」(テレグラフ紙、2019年)。
だから外へ出かけて、できるだけたくさんの人とつながろう。――『人生の意味』より
孤独は単に寂しいだけでなく、肉体をも蝕む。自分中心の殻に閉じこもり、つながりを怠る生き方は、老後の心身を確実にむしばんでいく。
年をとるにつれて、自分を開いていく
むなしい老後を回避し、深い充足をもたらすには、関心を「自分」から「他者や社会」へと向け、外へ広がっていく選択をすることだ。同じく本書で、ある先達はこう明かしている。
自分以外の命あるものの役に立つことを通して、私は意味を生み出しています。私にできるのはそれだけだと思います。――同書より
自己中心的であることをやめ、打算を捨て、自分以外の命のために思いやりを持って行動する。そうした「外に向かう選択」こそが、心に枯れることのない意味と喜びを生み出すのだ。
老後のむなしさは、環境のせいではなく、自身の「自分中心の考え方」が生み出すものだ。自分の都合を優先するのをやめ、他者のために何ができるかを考えて人とつながる。それだけで、晩年の景色は驚くほど温かく輝き始めるのである。








