老後の大きな不安の一つが「孤独」だ。では、年齢を重ねても多くの人に囲まれる人と、いつしか孤独になってしまう人は、何が違うのだろうか。世界中の著名人や識者に「人生の意味」を尋ねた『人生の意味――世界のあらゆる一流に教えてもらった105の答え』から、人生の最後まで人とのつながりを失わないために、日々の暮らしで大切にすべきことを紹介する。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)

老後「ひとりぼっちになる人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

老後の孤独は重い

 老後、深い孤独に陥ってしまう人には、ある共通点がある。お金や健康に恵まれていても、晩年を幸せに過ごせるとは限らない。老後を孤独なものにしてしまう最大の要因は、「身近な人と過ごす時間を後回しにしてしまうこと」だ。

 自己の成功や物欲を満たすだけの喜びは、年齢を重ねるにつれて急激に色褪せる。書籍『人生の意味』の中で、脳神経外科医のヘンリー・マーシュは、自らの人生経験から次のように語っている。

 私は人生経験を通じて、「他者」を幸せにすることこそが人生最大の幸福であること、少なくとも、それに比べれば他の喜びはすぐに色褪せてしまうことを学んできました。――『人生の意味』より

 他者を幸せにする喜びを育んでこなかった人は、周囲から孤立し、最終的に大きな孤独を抱えることになる。また、孤独になる人は、将来の不安や大きな計画ばかりに目を奪われ、身近な存在との関わりを軽視しがちだ。しかし、心が通い合う瞬間は、常にありふれた日常の中にしかない。本書のある手紙は、その本質をこう諭す。

 もしかしたら人生には、あらかじめ定められた計画や意味なんてないのかもしれない。
 むしろ人生の意味は、思い出すのに苦労するけれど、けっして忘れない、ほんの数秒のすばらしい瞬間にあるのかもしれない。
 君と猫や、パートナー、友だちとのあいだに、あるいは――いつか君が日の当たる場所に抱き上げてあげたことを何らかのかたちで思い出してほしい――子どもとのあいだに生まれる、些細な瞬間にあるのかもしれない。――同書より

 こうした些細な瞬間を切り捨ててきた人は、老後に振り返るべき温かな記憶を持てない。

人生の意味は「思い出」にある

 豊かな老後とは、誰かと共有した「思い出」の量で決まる。別の寄稿者は、思い出を紡ぎ、他者をケアすることの重要性をこう説いている。

 人生の意味はすばらしく単純です。それは、思い出をつくるための時間を持つことです。
 思い出をつくることを通して、歳を重ねるうちに、与えられることよりも与えること、 世話をされることよりも世話をすることに、より大きな喜びを感じるようになるのだと思います。――同書より

 身近な人と過ごす些細な時間を大切にし、誰かのために何かをする。そうした日々の積み重ねが、人とのつながりを育んでいく。

 老後の孤独は、老後になってから始まるものではない。今、周囲の人とどんな関係を築いているかが、その先の人生を大きく左右するのだ。