米新興企業Etched(エッチト)は一見、多くの注目を集める人工知能(AI)スタートアップと似ている。20代前半のハーバード大学中退者3人が共同創業し、わずか4カ月前にはアイデアに過ぎなかった製品の強みを武器に、約20億ドル(約3200億円)の資金を迅速に調達した。しかし、他の多くのスタートアップとは異なり、エッチトが手がけるのはソフトウエアではなく半導体だ。この製品カテゴリーは資本コストが高く開発サイクルも長いため、シリコンバレーでも若者の野心より経験が物を言う領域だった。テック投資家の間では「半導体業界の若者たちには投資するな」というのが常識だったと、同社の3億ドルの資金調達ラウンドを主導したセコイア・キャピタルのゼネラルパートナー、ソニア・ホアン氏は語る。「この若者たちは何でもできると思っている。インターネットの世界ではそうかもしれないが、半導体の世界では、スタートアップは『無実が証明されるまで有罪』だという感覚があった」