「定年したら、やりたかったことを思いきり楽しもう」――そう考えながら、旅行や趣味、友人との時間を後回しにしている人は少なくない。しかし、仕事を辞めて自由な時間が増えれば、それまでできなかったことを自然と始められるとは限らない。むしろ、会社員時代の過ごし方が、そのまま定年後の生活につながっていくこともある。では、定年後に「もっと早くやっておけばよかった」と後悔する人は、会社員時代に何ができていないのだろうか。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、その考え方を解説する。
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「定年したらやろう」が積み重なっていく
「定年したら旅行しよう」「時間ができたら趣味を始めよう」「退職したら昔の友人に会おう」「仕事を辞めたら運動しよう」
こうした言葉、一度は口にしたことがあるのではないでしょうか。
悪い考えではありません。
でも、何でも「定年したら」と考えていると、いつの間にか多くのことを先送りすることになります。
時間ができても、始められない
定年後に後悔する人が、会社員時代にやっていること。
それは「会社を辞めたらやろう」と先送りし続けることです。
ここに一つの落とし穴があります。
定年したからといって、突然行動的になるわけではありません。
今やっていないことは、時間ができても始めないことが多いんです。
「忙しいから」と運動を後回しにしてきた人が、定年した途端に運動する習慣をつくれるかというと、そう簡単ではありません。
「時間がないから」と友人との連絡を疎遠にしてきた人が、退職後に急に人間関係を広げられるかというと、それも難しい。
行動するかどうかは、時間の量よりも習慣と気持ちの問題だからです。
「いつかやろう」では、何も始まらない
定年後に充実している人には、共通点があるように感じています。趣味でも、人間関係でも、健康管理でも――会社員のうちに、小さくでも始めていた人たちです。
週末に少しだけ体を動かす習慣がある人は、定年後もそれを続けられる。現役のうちから旧友と年に一度でも会っていた人は、退職後もその縁が続く。
小さく始めていたことが、定年後の生活の土台になっていくんです。
逆に、すべてを「定年後」に置いてきた人ほど、いざその時が来たときに何から始めればいいかわからなくなります。
部下にも「仕事の外」に目を向けてもらう
もしあなたが上司なら、部下にこんなことを聞いてみてもいいでしょう。
「いつかやってみたいことって、何かある?」
何か出てきたら、「それ、今から少しずつ始めてみたら?」と背中を押してあげる。
そして、自分でも何か一つ始めてみる。
部下の今の仕事だけでなく、その人のこれからにも目を向ける。そんな関わり方も、上司の“ふるまい”の一つです。








