A子さんは、ハローワーク担当者の「転職のコツはくじけないこと」というアドバイスを素直に受け入れ、前向きにモチベーションを保ち、就職活動を続けている。

「たくさんたくさん嫌なことがありました。精神的にも追い詰められました。今でも、漢方薬の精神安定剤はお守りとして必ず携帯しているくらいです。円形脱毛症にもなりました。ストーカーもされて、警察に相談にもいきました。何度、死にたいと思ったか。どれだけ親に心配をかけたか…。運転中、“ここでハンドルを切ったらいけるな…”、“電車に飛び込めば楽になるな”、“練炭を買おうかな…”などと頭をよぎりました。こんなに死にたいと思ったことは、本当に生きていて初めてでした。ここまで、引きずるとは自分でも思っていませんでした…。心から願っています。いつかこの事件が忘れられればいいなと思っています」

 このように劣化した雇用環境が放置され、社会的課題の解決は先延ばしにされる。そうしたツケのしわ寄せが世の中の最も弱い部分に蓄積され続ける。そして、時代に合わなくなったこの国の仕組みの設計そのものが、あちこちで悲鳴を上げている。

 一部の人たちで旨味を吸い合ってきた時代は、いつかは破たんする。現場で一生懸命頑張って来た当事者が声を上げたとき、官庁主導の仕組みは少しずつ変わっていくのではないか。

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拙著『ドキュメント ひきこもり』が6月28日、新たに加筆修正を加えたうえ、文庫本として宝島SUGOI文庫から出版されることになりました。