「この人の下なら、安心して働ける」。部下からそう思われる上司は、仕事ができたり、的確なアドバイスができたりする人だけではない。むしろ、その人の本質が表れやすいのは、部下が失敗したり、思うような結果を出せなかったりしたときだ。そんな場面で上司が最初に何をするかによって、部下との信頼関係は大きく変わる。では、部下が「この人の下で働きたい」と無意識に思う上司は、どんなふるまいをしているのだろうか。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、その特徴を解説する。
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差が出るのは、うまくいかなかったとき
「ずっとこの人の下で働きたい」と思われる上司というと、仕事ができる、頼りになる、話を聞いてくれる
――そういった特徴を想像しがちです。
でも部下の心に残るのは、もっと小さなふるまいだったりします。
特に差が出るのが、部下の仕事がうまくいかなかったときです。
「今、この部下はどんな気持ちか」を想像する
時間をかけた企画が通らなかった。自分のミスで周囲に迷惑をかけてしまった
――こうした場面で、上司はつい「何が悪かったのか考えよう」「次はこうしたほうがいい」とすぐに動きたくなります。
原因確認や再発防止は必要なことです。
ただ、その前に一つ考えてほしいことがあります。「今、この部下はどんな気持ちでいるのか」ということです。
誰かに言われるまでもなく、部下はすでに「もっとこうすればよかった」「なんで気づかなかったんだろう」と悔しさや後悔を抱えていることがあります。
そんなときに、こんな一言をかけられる上司がいます。
「悔しいよな。先週から何度も企画書を直して、昨日もギリギリまで数字を見直してたもんな」
確認漏れのミスなら、
「へこむよな。昨日は急ぎの仕事が重なって、確認する時間もほとんどなかったもんな」
ほんの一言です。でも、この一言が部下の心に残ることがあります。
結果だけでなく、過程を見てくれていた
こうした言葉から伝わるのは、上司が結果だけを見ているのではなく、そこに至るまでの過程や状況も見てくれていたということです。
悔しさも、苦しさもわかってくれている。そのことが、部下の心に残ります。
責められる前に、「この上司は自分の気持ちまでわかってくれている」と感じる。そ
の感覚は、原因分析やアドバイスよりも先に、部下の心に届くことがあります。
改善策などの話は、少しあとでもできます。
まず、その人が今どんな気持ちでいるかを想像して、一言かける。
その小さなふるまいの積み重ねが、「ずっとこの人の下で働きたい」という気持ちにつながっていきます。








