「優秀な社員ほど、突然辞める」。そう感じたことのあるリーダーは少なくないだろう。仕事はそつなくこなし、大きな不満を口にすることもない。それなのに、ある日突然、退職を告げられる。給与や評価に問題があるとは限らず、本人の中では別の理由から、少しずつ会社への気持ちが離れていることがある。では、「将来有望な社員」が会社に見切りをつけるのは、どんなときなのだろうか。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、そのきっかけを解説する。
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「給与」でも「評価」でもない
優秀な社員が辞めるとき、その理由として真っ先に挙がるのは「給与が安い」「評価されない」
――多くのリーダーはそう考えています。
だから給与を上げ、評価制度を整える。それ自体は大切なことです。
私がこれまで多くの職場を見てきて感じるのは、優秀な人材が職場を去る理由として多いのが、「もう、ここで学ぶことがない」という思いです。
成長が止まった瞬間、心が離れる
優秀な人ほど、成長への欲求が強い。新しいことを覚えたい、難しい課題に挑みたい
――そういう欲求が、仕事へのエネルギーの源になっています。
入社当初は何もかもが新鮮で、毎日が学びの連続です。
でも年数が経つにつれ、仕事が「こなせる」ようになってくる。それ自体は成長の証なのですが、同時に刺激が減っていきます。
同じ業務の繰り返し、同じメンバー、同じ判断の連続
――気づけば「自分、全然成長していないな」と感じる瞬間が訪れます。
その感覚が積み重なったとき、優秀な人ほど次の環境を探し始めるんです。
会社が学ばせてくれないのではない
ここで誤解してほしくないのは、「会社が学ばせてくれない」という話ではないということです。
研修制度が充実していても、資格取得を支援していても、それだけでは十分ではありません。
問題は制度ではなく、「挑戦する機会があるかどうか」です。
自分で考えて動ける余白があるか。失敗してもいい場面を与えられているか。背伸びしなければこなせない仕事を任されているか
――こうした環境があるかどうかが、優秀な人材が「ここにいる意味」を感じられるかどうかを左右します。
リーダーにできること
優秀な部下が最近、妙に落ち着いて見える。ミスもなく、文句も言わない。でも、どこか淡々としている
――そんなサインが出始めたら要注意です。
それは安定ではなく、成長の手応えを失っているサインかもしれません。
「最近、物足りなさを感じていることはない?」と一言聞いてみてください。
そして、少し背伸びが必要な仕事を意識的に任せてみる。
優秀な人は、会社を辞めたいのではありません。
成長できる場所で働きたいだけなのです。








