「部下から『労基署に行きます』と言われた」。そんなとき、上司はどう対応すればいいのだろうか。慌てて引き止めたり、「会社に問題はない」と反論したりしたくなる人もいるかもしれない。しかし、大切なのは、その場で部下を説得することだけではない。その言葉が出るまでに、職場で何が起きていたのかを考える必要がある。では、「労基署に行きます」と言われたとき、上司がまずやるべきことは何なのだろうか。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、その対応を解説する。
Photo: Adobe Stock
労基署は法律に基づいて判断
部下から「労基署に行きます」と言われると、上司はドキッとします。
「大変なことになった」「責任問題になるかも」――そう感じる方もいるかもしれません。
ただ、一つ覚えておいてほしいことがあります。
労働基準監督署(労基署)は、労働基準関係法令に基づいて、必要な監督や指導などを行う行政機関です。
もちろん、部下が相談に行ったからといって、それだけで会社が法律違反をしていることになるわけではありません。
「なぜ、その言葉が出たのか」を考える
上司として気にしてほしいのは、法律違反があるかどうかだけではありません。
「労基署に行きます」という言葉が出るまでに、何があったのかということです。
疑問や不満があった段階で、上司に直接確認できる関係であれば、こうはならなかった可能性もあります。
たとえば、残業時間や休憩の取り方に疑問を感じたとき、「これってどうなっているんですか?」と気軽に聞けて、上司もきちんと説明する。
そんなやり取りができていれば、その場で解消することもあるでしょう。
一方で、すでに上司に確認したものの、十分な説明を受けられなかったり、説明に納得できなかったりして、最終的に「労基署に行きます」という言葉が出たのかもしれません。
いずれにしても、その言葉が出るまでに、職場でのコミュニケーションに問題はなかったか、一度振り返ってみることも大切です。
法律上の問題と、職場の関係は別の話
「法律上の問題があるかどうか」と「職場でのコミュニケーションがうまくいっているかどうか」は、別の問題です。
法令上の違反があれば、もちろん是正が必要です。
一方で、違反がなかったとしても、部下が「もう上司には言えない」と感じているなら、リーダーとして振り返るべき点はあります。
「労基署に行きます」という言葉が出たとき、職場での関わり方を見直すきっかけにしてほしいのです。








