イーロン・マスクが嫌う「絶対に部下を持たせてはいけない人」の決定的な特徴テスラやスペースXを率いる実業家のイーロン・マスク氏 Photo:Pool/gettyImages

自動運転やAIを軸に事業領域を広げるテスラ。2026年9月には、イーロン・マスク氏が率いる同社の無人タクシー専用車「サイバーキャブ」が日本初公開された。大胆な構想を実現する組織で、管理職は部下の異論や提案にどう向き合うべきか。イーロン・マスク氏が嫌った管理職の特徴とは?組織心理学の研究が示した、部下を不当に低く評価する上司の正体とは?(イトモス研究所所長 小倉健一)

無人タクシーが日本初公開
事業の幅を広げるテスラ

 ハンドルもペダルもない車が、日本にやってくる。イーロン・マスク率いるテスラは2026年9月5日、無人タクシー専用車「サイバーキャブ」の日本初公開を発表した。9月11日から東京、大阪、名古屋の4会場で順次展示されている。2人乗りの車体には、上へ開くドアと大きなタッチスクリーンが備わる。人が運転するという前提を、設計の出発点から外した車だ。

 テスラは電気自動車を売る事業に加え、移動そのものを提供する事業へ踏み出している。2025年6月に始めたロボタクシーのサービスを広げ、2026年上半期にはサイバーキャブの生産も開始した。利用者を運ぶ車に加え、充電、清掃、整備、車両の管理までを含む仕組みをつくっている。

 2026年4~6月期の売上高は約282億ドル。前年同期から26%増えた。大量の車をつくって売る会社が、その車を動かしてサービスを提供する会社へ、仕事の範囲を広げている。サイバーキャブは、その変化を目に見える形にした製品だ。革新的な技術が増えれば、車内から運転席の操作装置が消える一方、車を走らせ続けるために、社内で引き受ける仕事は増えていく。

 テスラは、車を支える土台にも手を伸ばしている。テキサス州ではリチウムの精製や電池材料の工場を立ち上げ、材料の加工から電池、車の生産までを自社でつなぐ。車体の形を変える大胆さの裏で、工場や供給網への投資を積み重ねる。テスラの存在感をつくっているのは、こうした仕事の広さでもある。

部下を潰す上司が
実は恐れていること

 サービスを続けるには、日々の作業も欠かせない。車を組み立て、汚れた座席を清掃し、充電の順番を決め、不具合を直す。それぞれの担当者が持つ知識を、実際の運用へつなぐ必要がある。マスクの構想が大きいほど、その足元では細かな確認が欠かせない。現場から上がる指摘の数を、経営者の自信で減らすことはできない。

 そこで難しいのは、指摘を受ける人間の側だ。