京セラ創業者の稲盛和夫氏 Photo:EPA=JIJI
稲盛和夫が「部長どころか課長にもしてはいけない」とまで言い切った人材の特徴とは? 2024年、3万人超のデータを分析した研究も、上司と部下をめぐる意外な事実を明らかにした。両者に共通する「組織が腐るメカニズム」とは――。(イトモス研究所 小倉健一)
組織を腐らせるリーダーの
特徴とは?
世間には、根強い思い込みがある。
部下が潰れるのは、上司が厳しいからだ、という思い込みである。叱る上司、詰める上司、容赦のない上司。そうした存在が職場を荒らし、人を壊す。だから上司は優しくあれ、と。
だが、本当に組織を腐らせるのは、その正反対の人間だ。叱るべきときに叱らない上司である。
稲盛和夫は、30年以上前にこの危うさを言い当てていた。経営をやっていれば、人は日々、困難にぶつかる。そのとき誰もが怯(ひる)む。真正面から受けて立てば膨大な労力が要ると分かるから、つい「もっとうまいやり方はないか」と横を向く。
稲盛はこれを、勇気にもとる振る舞いと呼んだ。そして、学問があり頭の切れる人間ほど、この誘惑に弱いと見抜いた。賢いがゆえに、正面から問題をただすのではなく、波風の立たない抜け道を探してしまうのだ。
その怯(ひる)みは、本人ひとりにとどまらない。稲盛の言葉を引こう。







