
ニデックが9月25日に開いた臨時取締役会で、岸田光哉社長の解任を決議していたことがダイヤモンド編集部の取材で分かった。不正会計を受け、1兆円規模の減損損失を2026年3月期に修正計上する方針も判明。巨額減損に関する岸田社長の経営責任を重く見た取締役会が電撃的な解任に踏み切ったもようだ。ただ、ニデックは創業者の永守重信氏による過度なプレッシャーを起点にした会計・品質不正からの再建途上にある。唐突なトップ解任には不可解な点も多く、「内紛劇」はニデックを再び迷走させるリスクもはらんでいる。(ダイヤモンド編集部編集長 名古屋和希)
ニデック取締役会が社長解任決議
1兆円規模の減損損失も計上へ
ニデックが9月25日に開いた臨時取締役会で、岸田光哉社長の解任を決議していたことがダイヤモンド編集部の取材で分かった。不正会計を受け、1兆円規模の減損損失を2026年3月期に修正計上する方針も判明。取締役会は、巨額減損に関する岸田社長の経営責任を重く見て電撃解任に踏み切ったもようだ。ニデックは29日にもトップ交代を発表する。
ニデックでは、グループ会社で不正会計の疑いが浮上し、25年9月に弁護士らによる第三者委員会を設置。第三者委が4月に公表した最終報告書の中で、約1600億円の利益の水増しが判明した。さらに、車載事業を中心に減損損失が2500億円規模に上る可能性も指摘されていた。
報告書では、創業者の永守重信氏による不正会計の直接の指示・主導は確認されなかったとする一方、永守氏による業績への過度なプレッシャーを起点に各事業部門で不正会計が実行されたと認定された。
不正会計は品質不正問題にも波及した。ニデックは26年5月、家電向けなどのモーターで、顧客の承認を得ない部品変更などの不適切行為の疑いが判明したと公表。調査委員会が9月初旬に公表した報告書は、12の事業部門と子会社で計844件の不正があったと認定した。
不正会計を受けて、25年9月には監査を担当するPwCジャパンが2025年3月期の有価証券報告書に「意見不表明」とした。意見表明の基となる十分な監査証拠を得ることができなかったためだ。調査に時間を要し、決算開示や有価証券報告書の提出も遅延。ニデックは開示を延長してきた26年3月期決算の有価証券報告書の提出期限を9月30日と定めていた。
有報の提出期限を間近に控え、ダイヤモンド編集部の取材で、ニデックが1兆円規模の減損損失を計上する方針と、取締役会による岸田社長の解任決議が明らかになった。次ページでは、ニデックが想定よりもはるかに大きな減損損失の計上に迫られることになった要因やその内訳を明かす。また、岸田社長の電撃解任を巡る不可解な点や、「内紛劇」が招く、再迷走のリスクについても解説する。







