社外取10821人の全序列【2026最新版】熱狂バブルの落とし穴#17サイバー攻撃を受け、記者会見の冒頭で頭を下げるアサヒグループホールディングスの勝木敦志社長(中央) Photo:SANKEI

下請法違反、不正会計、営業秘密の流出、サイバー攻撃、経営トップの不適切行動――。日本を代表する上場企業で不祥事が相次いでいる。不祥事が発覚した企業で、経営を監督する立場にある社外取締役は、果たして高額報酬に見合う働きをしているのか。特集『社外取10821人の全序列【2026最新版】熱狂バブルの落とし穴』の#17では、直近で不祥事が発覚した上場企業23社に在籍する社外取締役132人を対象に、実名と推計報酬額の合計、兼務先をランキング形式で公開する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

トヨタ、KDDI、富士通、ニデック…
名門企業で相次ぐコンプラ違反

 名門企業の不祥事が止まらない。

 トヨタ自動車では、生産子会社のトヨタ自動車東日本が、量産終了後の金型や部品を下請け企業に無償で保管させたとして、公正取引委員会から下請法違反で勧告を受けた。親会社のトヨタ本体にも、発注マニュアルの改善が要請された。

 KDDIでは、子会社BIGLOBEとG-PLANで実体のない広告取引が行われ、最大2460億円規模の架空売り上げが判明。決算発表延期と特別調査委員会の設置に発展した。

 富士通では、古田英範会長の女性関連の不適切行動が発覚し、本人が取締役辞任と株主総会での選任辞退を申し出た。東京エレクトロンでは、台湾子会社の元従業員によるTSMCの2ナノ技術に関する営業秘密取得事件で、同子会社が起訴され罰金を科された。

 このほか、日本郵政、スズキ、ニデック、アサヒグループホールディングス(HD)、川崎重工業、中部電力、日産自動車、日本航空、サンリオ、ソニーフィナンシャルグループ(FG)、東京地下鉄(東京メトロ)、フジ・メディア・ホールディングスなどでも、不正やハラスメント、法令違反、情報流出、サイバー被害などが表面化している。

 社外取締役がどれだけ有能であっても、全ての不祥事を事前に見抜けるわけではない。外部の立場である以上、現場の細かな不正の芽を完璧に把握するのは困難だからだ。

 しかし、社外取は本来、経営陣から独立した立場で会社を監督する存在である。いったん不祥事が発覚すれば、経営トップの責任を問い、再発防止策の実効性をチェックし、必要なら経営体制の刷新にも踏み込むべき立場にある。

 問題は、そうした役割に見合う働きをしているかどうかだ。

 社外取の報酬は、1億円以上を受け取らない限り個人別の金額が原則として開示されないため、実態が見えにくい。そこでダイヤモンド編集部は、有価証券報告書の役員区分ごとの報酬等の総額を基に、社外取一人一人の推計報酬額を算出した。複数社を兼務している場合は、全社分を合算している。

 今回対象としたのは、直近で不祥事が発覚した上場企業23社の社外取132人だ。推計報酬額の合計で順位付けした。

 上位には、トヨタ自動車、富士通、アサヒグループHDなど、日本を代表する企業の社外取が並んだ。中には、今回の対象となる不祥事企業2社を兼務する人物もいる。

 それでは、次ページでまず今回対象とした「不祥事企業リスト」を確認し、その後、社外取の高額報酬ランキングを見ていこう。