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一連の不正会計問題に揺れるニデックが、6月18日、運命の定時株主総会を迎える。今回の不祥事は、官僚や学者といった経営の実務経験に乏しい社外取締役が、リスク管理の局面でいかに機能しなかったのかを白日の下にさらした。特集『社外取10821人の全序列【2026最新版】熱狂バブルの落とし穴』の#8では、ビジネス経験のない社外取が直面した限界と、形骸化した取締役会を打破して「物言う社外取」を実現するために必要な本質的要素を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 井口慎太郎)
不正連発も「違和感すら抱かなかった」
ニデック社外取が第三者委に漏らした衝撃
ニデックの不正会計問題は、日本企業の社外取締役の存在意義を根底から問い掛けている。
象徴的だったのが、株主総会に先立ち新たな社外取候補を発表した記者会見での一幕だ。現職の社外取で、指名委員長を務める酒井貴子・大阪公立大学大学院教授が、記者から不正会計問題をどう総括しているのかを問われたが、その回答は問いに正面から向き合ったものとは言い難かった。
酒井氏は、創業者である永守重信氏について「2兆円企業になるまで先頭に立って率いてきた方」と功績に触れた上で、「過剰な業績プレッシャーについては情報共有はなされていなかった」と述べた。
当然ながら問われていたのは永守氏の功績ではなく、社外取はなぜ異常に気付けなかったのか、なぜ経営の深部に踏み込めなかったのか、である。会社側から情報を与えられなかったので何もできなかったという釈明にとどまるなら、当事者意識を欠くと言わざるを得ない。
ニデックは2020年から、取締役の職務執行を監査する「監査等委員会設置会社」に移行している。過半数を社外取で構成する監査等委員会が経営を是正する強力な機能を持ちながら、その機能は完全にまひしていたのだ。
東京証券取引所のコーポレートガバナンス・コードは、「取締役・監査役は役割を果たすために能動的に情報を入手すべきであり、必要に応じ、会社に対して追加の情報提供を求めるべき」と明記している。
会社への働き掛けで積極性を発揮しないと、ただ指定席に座っているだけの「お飾り社外取」になってしまうのはニデックに限った話ではない。
会社側からお膳立てされた情報だけをうのみにし、予定調和の会議に出席するだけでは、経営の暴走や組織の腐敗を止めることはできない。コーポレートガバナンス・コードが求める「能動的な情報入手」を実践し、真の監視役として機能するためには何が必要なのか。
次ページでは、ニデック取締役の新旧メンバー比較表とともに、第三者委員会の調査報告書にひっそりと掲載されていた社外取の衝撃的な実態を大公開。さらに、「うるさ型」を自認する社外取経験者や、日立製作所の井原勝美・取締役会議長への取材を基に「物言う社外取」の再現性を探る。
社外取のプロフェッショナルたちが実践する、公式ルートに頼らない「泥くさい情報獲得術」のリアルに迫る。







