会社でのポジションを上げ、高い給料を得て、周囲からは「成功者」と羨ましがられる。しかし、なぜか心が冷め切り、強い空虚感に苛まれているミドル層が増えている。十分な収入や肩書を手に入れたのに心が満たされないのは、あなたが「自分自身の本当の望み」ではなく、「他人が定義した成功のイメージ」を追い求めてきたからだ。書籍『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』をもとに、この不毛なワナの正体を解き明かす。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「高収入や肩書」を手に入れたのに、なぜか心が満たされない人が陥っているワナとは?Photo: Adobe Stock

成功を手に入れたはずなのに拭えない空虚感

 タワーマンション、高級車、ブランド品…。

 年収や役職が上がっても心が満たされない「ミッドライフの危機」に直面する人は、世間やメディアが提示する成功の記号を買い揃えようとする。

 しかし、他人の基準で買い求めたモノによって、自分の内面にある心の空腹を満たすことは不可能なのだ。

 どれだけ消費を重ねても、買えば買うほど支払いのために労働へ縛り付けられる悪循環が続く。

 元広告会社幹部のアンは、現代のマーケティングがどのように人々の不満や不安を煽り、不要な消費へと走らせているかの裏側を明かしている。

「所有しなさい」という広告の呪縛

 企業や広告主は、消費者の恐怖心や充足への渇望を利用して、商品を買わせようとする。

 アンはカフェでジョンに次のように語りかける。

「たとえば、このメーカーの車を運転すれば、あなたの人生に意味が生まれる。あの会社のアイスクリームを食べれば幸福感が得られる。このブランドのダイヤモンドを所有すれば満足感が得られる……。ここであなたに大切な話をするわね。たとえさりげなくても、たいていは強力なメッセージが伝わるのよ。『この商品を所有すればあなたは満たされる』に加えて、『これらを所有しなければあなたは満たされない』というメッセージが」
――『世界の果てのカフェ』より

 外部からのメッセージを無批判に受け入れていると、私たちは「他人が作った幸せのイメージ」を自分の欲求だと錯覚してしまう。

 そして、その幻想を手に入れるために自分の貴重な時間とお金を使い果たし、本当にやりたいことを追求する自由を失ってしまうのだ。

 お金や肩書は、自分の存在理由を満たすための手段に過ぎないことを知らねばならない。

「幸せのイメージ」を追い求めるワナ

「高収入や肩書」を手に入れたのに、なぜか心が満たされない人が陥っているワナ。

 それは、他人の広告メッセージを鵜呑みにし、「他人が作った幸せのイメージ」を消費し続けていることです。

 今すぐ他者の基準でモノや地位を買い求める生活をストップし、「自分にとって本当に価値のある時間とは何か」を自問自答しましょう。

 外部の呪縛を振り払い、自分の存在理由を満たすことに人生を投資し始めた瞬間、真の充足感があなたの心を満たすのです。