どれだけ長時間働いても、チームの成果が上がらない40代管理職。彼らの決定的な共通点は、「一度決めた方針や前言を撤回することは恥だ」と思い込み、過去の意思決定にしがみつく頑固さにあります。不確実なビジネス環境における「パーフェクトな意思決定」の構造を理解していなければ、組織を沈没させることになります。この記事では、書籍『リーダーの仮面』のエッセンスをもとに、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

永遠に成果を出せない40代管理職が間違っていることとは?Photo: Adobe Stock

「前言撤回」を恐れる40代リーダー

 成果が出ない40代管理職が、無意識に抱いている強い心理的ブレーキがあります。

「一度チームに宣言した方針を変えたら、コロコロ変わるブレた上司だと思われる」
「過去の自分の失敗を認めたら、部下からの信頼を失う」

 そうやって前言撤回や軌道修正(朝令暮改)を極度に恐れる態度です。

 そのため、途中で「このやり方は失敗だ」「状況が変わって成果が出ない」とわかっていても、過去の決定を撤回できず、惰性で突き進みます。

 変なプライドを守るために、チーム全体を失敗の道へと道連れにしているのです。

一度決めたことに固執し、「朝令暮改」や前言撤回を恥だと思って隠そうとする姿勢が、成果を遠ざけます。
人は間違える前提に立ち、不確実な中でもスピード優先で決断し、失敗したら速やかに前言撤回して修正する。
この「華麗なる修正」ができる柔軟性こそが、パーフェクトな意思決定の本質です。
――『パーフェクトな意思決定』より

「石」ではなく「水」

 多くの人は、意思決定を「石のように固く変えないもの」だと勘違いしています。

 しかし、本来のパーフェクトな意思決定は、「水」に近いしなやかなものです。

 水は時に固い氷にもなり、状況に応じて柔らかい水に戻って形を変えることができます。

 不確実なビジネスの現場において、最初から100%正しい意思決定をし続けることなど不可能です。

「やってみたら間違っていた」とわかった瞬間に、堂々と失敗を認め、華麗に修正できる人こそが、本当の意味で強いリーダーなのです。

朝令暮改を恐れるな

 40代リーダーが成果を出し続けるために必要なのは、頑固なプライドを捨てる勇気です。

「過去の私の指示は間違っていた。今日からこの新しいルールで進める」

 部下の前で前言撤回を堂々と宣言し、一瞬で修正を図ります。

 リーダーの仮面の思考に基づき、自分の自尊心ではなく「外部からの結果評価」だけに軸を置くこと。

 素早く決断し、失敗したら華麗に修正するサイクルを最速で回す人だけが、チームを勝利へと導くことができるのです。