ニデック首脳陣Photo:SANKEI

ニデックが岸田光哉社長の後任に、戒田理夫専務執行役員を充てる方向で調整していることがダイヤモンド編集部の取材で分かった。ただ、現状では戒田氏は取締役ではない。南井正之取締役常務執行役員が代表権のある取締役に昇格し、代表権のない社長に戒田氏が就く案が浮上。通常の企業のトップ交代の流れを大きく逸脱した異例の体制移行が進められる可能性がある。不正会計からの再建を主導していた岸田氏の電撃退任に社内でも動揺が広がっている。(ダイヤモンド編集部編集長 名古屋和希)

岸田社長後任は戒田氏で調整
29日夕にも社長交代を発表

 ニデックが岸田光哉社長の後任に、戒田理夫専務執行役員を充てる方向で調整していることがダイヤモンド編集部の取材で分かった。

 関係者によると、9月25日に開かれた臨時取締役会で、岸田氏に辞任を勧告。後任社長に戒田氏を起用するほか、南井正之取締役常務執行役員を代表取締役に昇格させる方針を確認したもようだ。29日夕の取締役会でトップ交代を決め、発表するとみられる。

 プロパーの戒田氏は最高技術責任者を務める。創業者の永守重信氏の側近は、不正会計などを受けて、多くが退任したが、戒田氏が残された1人といえる。一方、南井氏はトヨタ自動車の人事部長などを経て、2025年にニデックに入社。6月の株主総会で取締役に就任し、現在は最高コンプライアンス責任者を務める。

 ニデックの経営体制を巡っては、不正会計問題を受け、創業者の永守重信氏が25年12月に取締役から退任。26年2月には名誉会長も退き、経営の一線から離れた。26年3月には創業メンバーの1人である小部博志会長も退任。ソニーグループ出身で、24年から社長を務める岸田氏が不正会計からの再建を主導してきた。

 次ページでは、ニデックで浮上した、通常のトップ交代を大きく逸脱した体制移行案の詳細について解説していく。