「もっと頑張れば、いつか幸せになれる」。そう考えて、仕事や勉強に励んでいる人は少なくないでしょう。しかし、目標を達成しても、なぜか満たされない。収入が増えても、将来への不安が消えない。そんなふうに、努力を重ねても幸せを感じられないことがあります。では、幸せになれない本当の理由は、どこにあるのでしょうか。『人生は気づかぬうちにすぎるから。』の著者クリス・ギレボー氏が、幸せを感じるために大切な考え方を語っています。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

幸せになれないのは、「努力が足りないから」ではない。ではなぜ?Photo: Adobe Stock

「努力」すれば、必ずうまくいくのか?

「もっとお金があれば、将来への不安もなくなるはずだ」
そんなふうに考えて、日々頑張っている人は少なくない。

仕事では、少しでも高い評価を得ようと努力する。
休日も、将来のために勉強したり、資格を取ったりと、何か役に立つことをしようとする。

もちろん、目標に向かって努力することは大切だ。
しかし、どれだけ頑張っても、なかなか幸せを感じられないことがある。

一つ目標を達成しても、すぐに次の目標ができる。収入が増えても、もっと稼がなければと焦る。

そうして「もっと頑張れば幸せになれる」と考え続けていると、いつまでたっても満足できなくなってしまう。

幸せになれないのは、努力が足りないからではない。
幸せになるために頑張るあまり、目の前にある幸せを見落としているからかもしれない。

たとえば、おいしいものを食べること。好きな音楽を聴くこと。大切な人とゆっくり話すこと。

特別な成果につながらなくても、心から楽しいと思える時間は、日常のなかにある。

「生きている」という実感に意識を向ける

では、そうした小さな幸せを見失わずに生きるには、どうすればいいのだろうか。

 もっと幸せになり、そして不安を減らすためには、「生きている」という実感を味わえることに意識を向けるといい。
(~中略~)
 人生には、生きていることを実感できる驚きの瞬間が訪れるときがある。新鮮なイチゴがおいしいと感じる。散歩中に太陽の輝きに感動する。パートナーや友人との楽しい夕食の時間が、あっというまに過ぎていく。
 こうした瞬間には、大きなものも小さなものもある。
 久しぶりにコンサートに行き、バンドの演奏が始まると、自分がどれだけ生演奏を愛していたかを思い出す。「この感覚を忘れていた!」と生きている実感が湧いてくる。そしてあなたは、もっと頻繁にコンサートに行こうと決心する。
 この感覚を、もっと大きな形で味わう場合もある。1日中、「生きている」という実感を味わい続けることもあるだろう。何らかの行動をすることで、こうした大きな気づきの感覚が得られることがある。この気づきこそ、あなたが求めているものだ。

 私たちはつい、幸せになるためには、もっとお金を稼いだり、仕事で成功したりしなければならないと考えてしまう。

――『人生は気づかぬうちにすぎるから。「自分第一」で生きるための時間術』より

幸せを感じられる瞬間は、必ずしも大きな成果を手に入れたときだけではない。

好きな音楽を聴いて心が弾む。おいしいものを食べて思わず笑顔になる。
大切な人と過ごしているうちに、あっという間に時間が過ぎていく。

そんな何気ない瞬間にも、人生を豊かにしてくれる喜びがある。

大切なのは、将来の幸せのために頑張り続けることだけでなく、今の自分が何に喜びを感じるのかを知ることだ。

忙しい毎日のなかでも、自分が心から楽しいと思える時間を、少しずつ増やしてみよう。
幸せは、努力の先にだけあるものではない。
今この瞬間にも、すでに見つけられるものなのだ。