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ニデックが岸田光哉前社長の交代の理由に挙げた「財務報告を巡る不適切な言動」の具体的な中身がダイヤモンド編集部の取材で分かった。不正会計を調査した第三者委員会が「不適切な言動」について「嫌疑なし」とニデックの取締役に報告していたことも判明した。報告は岸田氏の辞任前日の9月28日。ニデックの取締役会は「嫌疑なし」の回答を事前に得ていたが、トップ交代を強行したもようだ。また、事実上の社長解任を決定した9月25日の臨時取締役会の極めて不可解な議事進行に加え、岸田氏退任直前の一部の社外取締役の圧力の実態など、解任劇の内幕を明かす。(ダイヤモンド編集部編集長 名古屋和希)
ニデック前社長の「不適切な言動」
第三者委員会は「嫌疑なし」と認定
ニデックは9月29日、岸田氏が同日付で社長を辞任し、後任に戒田理夫専務執行役員を起用するトップ人事を発表した。南井正之取締役常務執行役員も代表取締役に昇格した。6月に開いた株主総会で、岸田氏の賛成比率は90%超の高水準。わずか3カ月でのトップ交代は極めて異例だ。
岸田氏の後継トップの戒田氏は現状では取締役ではない。いったん代表権のない社長に就いたのちに、年内に開かれる臨時株主総会を経て代表取締役に就任する予定だ。現職が不在のままの体制移行は、通常の企業のトップ交代の流れから大きく逸脱したものといえる。
唐突ともいえる岸田氏の退任理由について、ニデックの取締役会の佐久間総一郎議長は10月1日の記者会見で、二つ挙げている。一つが、2026年3月期に計上した6000億円超の減損損失だ。減損損失は26年3月期以前の期のものと合わせると1兆円規模に達する。佐久間氏は会見で「(減損について)最高経営責任者としてあるべき進退を考えた結果」と語っている。
そして、もう一つが「財務報告を巡る不適切な言動」だ。ただし、佐久間氏は会見の中で、(取締役会で)法的責任については判断していないと触れたものの、具体的な中身は説明しなかった。記者からも「不適切な言動」に関する質問が相次いだが、佐久間氏はいっさいの言及を避けた。
「不適切な言動」とは何だったのか。ダイヤモンド編集部の取材で「不適切な言動」の具体的な中身が判明した。さらに、不正会計を調査した第三者委員会が「不適切な言動」について、岸田氏の「嫌疑なし」とニデックの取締役に報告していたことも明らかになった。報告は岸田氏の辞任前日の9月28日。つまり、ニデックの取締役会は岸田氏は“シロ”との回答をあらかじめ得ていたが、トップ交代を押し切った格好だ。
さらに、9月29日の臨時取締役会でのトップ人事の決議に先立ち、事実上の社長解任を決めた9月25日の臨時取締役会の不可解な議事進行や、岸田氏退任直前の一部の社外取締役の圧力の実態など、解任劇を巡る詳細な事実も判明した。次ページでは、「不適切な言動」について明らかにするほか、社外取締役や監査法人の実名なども示しながら解任劇の内幕を明かす。







