完璧を求めすぎて仕事を終えられない。やらなければいけないことを先延ばししてしまう。そんなときの対処法を、『おい、とりあえず終わらせろ』の著者、nwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえずおわらせろ中間管理職Photo: Adobe Stock

中間管理職ほど抱え込みやすい

 部下から上がってきた資料を開く。

 完璧ではないが、あと少し自分が手直しすれば、上に出せる。

 そう思ったところで、別の相談が入る。会議に呼ばれ、チャットに返信し、気づけば夕方になっている。

 そのまま出せば、上司から指摘されるかもしれない。とはいえ、部下に差し戻して一から説明する時間もない。

「自分で直した方が早い」と引き取った仕事が、いつの間にか積み上がっていく。

 上司にも部下にも、きちんと応えたいと思う忙しい中間管理職ほど、仕事を手元に抱え込みやすいのではないでしょうか。

 ただ、その間にも、部下は次の指示を待っています。上司も、その資料をもとに判断する予定を立てているかもしれません。

 自分では「少し整えているだけ」のつもりでも、周りから見れば「次に進めない時間」になっている。上司と部下の間に立つ人は、仕事の流れの真ん中にいるのです。

 必要なのは、すべてを自分で仕上げることより、相手が次に動ける状態にして渡すことです。

「60点」は流れを止めない選択

 そのために、「60点で出す」というのをすすめます。

「60点で出す」とは、雑にやることではありません。流れを止めない、という選択です。

 ただし、60点の基準は自分だけで決めるものではありません。

 相手との合意が前提です。必要な情報が揃っていなければ、早く渡しても相手は判断できないからです。

 では、何があれば相手は次に進めるのか。一番手っ取り早いのは、直球で聞くことです。

 私もかつて、資料のゴールがわからないまま、調べる範囲を広げ続けていたことがありました。そこで、上司にこう聞きました。

「この資料で、何を判断されますか?」

 相手は少し考えて、こう答えました。

「来週の経営会議で、予算をつけるかどうか。最大の要因が何で、それに対して何ができそうか、の2点がわかればいい」

 必要な情報は、たった2点でした。席に戻り、開いていた47個のタブを見ました。必要だったのは7個だけです。

 何を判断するための資料か。それがわかれば、「もっと調べる」「もっと整える」のうち、今回はやらなくていいことも見えてきます。

自分が抱えた2日間、後輩の仕事も止まっていた

 実際に、手元で仕事を止める影響を痛感した経験もあります。

 ソフトウェア開発の現場で、私が「もう少し整えてから出そう」と抱えていた作業がありました。後輩も、その成果を前提に作業を進めていました。

 私の作業が本流に取り込まれるまで、後輩は自分の変更を確定できません。

 私が抱えていた2日間、後輩の作業は本流から離れていき、いざ統合しようとしたら、修正内容があちこちで食い違っていました。

 私が「磨いていた」2日間、下流で待っている人の時間も止めていたのです。

 それでも、早い段階で確認するのは怖いものです。私の場合は、「そんなこともわからないの?」と思われるのが怖かった。

 でも、聞かずに抱え込み、ズレたまま進んでやり直す。そのために失った時間は、聞く恥ずかしさとは比べものになりませんでした。

 聞き方は、大げさでなくていいのです。

 チャットで「1点だけ確認させてください」と送る。定期の1on1で聞く。会議で「この資料のゴールを、改めて確認させてください」と投げかける。

 まずは、手元で止まっている仕事1件について、相手が何を判断したいのかを確認してみる。

 そのために必要な情報が揃っているなら、細部を磨き続ける前に、方向性を見てもらう。

 そうすれば、流れを止めずに仕事が進むでしょう。