病院で骨折の疑いがあるときなどに撮影する「レントゲン」。撮影した画像を見ると、骨は白く、周囲の部分は灰色や黒色に写っている。普段は皮膚や筋肉に覆われていて見えない骨が、なぜレントゲンではくっきりと見えるのだろうか。実は、その理由には、骨に含まれるある成分と、X線の性質が関係している。身近な医療技術でありながら、意外と知られていないレントゲンの仕組みを『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの生物学』から紹介する。(ダイヤモンド編集局)
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なぜレントゲンでは、骨だけが白く見えるのか?
骨折したときや、身体の状態を詳しく調べたいときなど、病院でレントゲン撮影を受けたことがある人も多いだろう。
撮影された画像を見ると、腕や脚などの骨が白く浮かび上がっている。
一方、その周囲の筋肉や脂肪などは、灰色っぽく写っている。
そもそも、私たちの身体の中にある骨は、外から直接見ることができない。
それなのに、なぜレントゲンでは、骨の形がはっきりとわかるのだろうか。
この疑問を解く鍵となるのが、「X線」という目には見えない放射線の性質だ。
骨が白く写る理由は「カルシウム」にあった
『14歳からの生物学』では下記のように説明されている。
X線は放射の一種で、さまざまな物体に吸収される。
ヒトや動物にX線を当てて身体の像を撮影すると、X線を多く吸収する構造体が浮かび上がる。
骨が白く写るのは、骨に含まれるカルシウムがX線をほとんど吸収するからだ。
骨以外の器官はX線をあまり吸収しないので、灰色や黒色に写る。
レントゲン撮影では、身体にX線を当て、身体を通り抜けてきたX線を検出することで画像をつくっている。
ここで重要なのは、X線が身体のすべての部分を同じように通り抜けるわけではないということだ。
身近なレントゲンにも、生物学の仕組みが隠れている
私たちは普段、骨や筋肉、内臓などを直接見ることはできない。
しかし、X線の性質を利用すれば、身体の内部にある構造を画像として捉えることができる。
骨折の有無を調べるときにレントゲンが役立つのも、骨が周囲の組織と異なる濃淡で写るためだ。
もちろん、レントゲンですべての臓器や病気が詳しくわかるわけではない。
筋肉や靱帯など、X線画像では区別しにくい組織もある。
それでも、身体を大きく傷つけることなく内部の様子を調べられることは、医療にとって大きな利点となっている。
次にレントゲン画像を見る機会があったら、骨が白く写っている理由を思い出してみてほしい。
その白さは、骨に含まれるカルシウムと、X線が物質に吸収される性質によって生まれているのである。



