「なんで学校に行きたくないの?」。子どものことを心配するあまり、ついこんな質問をしていませんか。親としては理由を知りたいだけでも、子どもにとっては「問い詰められている」と感じる質問かもしれません。実は、何気なく使っている「なぜ」「どうして」が、親子の信頼関係を少しずつ壊してしまうことがあるのです。今回は『子どもとの関係が劇的に変わる「なぜ」と聞かない子育て術』から、「質問の落とし穴」について解説します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

子どもに「なぜ?」と聞く親Photo: Adobe Stock

子どもに「なぜ」を使うな

最近の子どもとのやり取りを思い出してみてください。

あなたはこんな「どうして」「なぜ」を使っていませんか。

「なんで、学校に行きたくないの?」

今日からやめて欲しいのは、こんな「なぜ?」「どうして?」です。親は無意識に子どもに「なぜ・どうして」と問いかけてしまいますが、実は、なぜと聞くたび、子どもとの信頼関係は損なわれてしまうのです。

何より、それに気づくことが最初の一歩です。逆に言えば、こんな「どうして」をやめるだけで、子どもとの関係は急激によくなっていきます。

子どもは「詰問」のように感じてしまう

「どうして学校行かなかったの?」の最終的な答えは「行きたくなかったから」です。「なぜ行きたくなかったの?」といくら聞いても、最終的な答えは「行きたくなかったから」以外ではありえません。

しかし、それでも親が理由を問うと、子どもはどう感じるでしょうか。

「学校に行きたくない自分が悪い」と、詰問されているように感じてしまうのです。

こういうタイプの「なぜ質問」を、ここでは「詰問型のなぜ質問」と呼びます。形としては「なぜ」「どうして」という質問になっていますが、実際は純粋な質問ではなく、力関係を利用して相手にプレッシャーをかける恐れの強い質問になります。

「なぜ」が関係を壊す

特にダメなのは、「もう変えられない過去」について「なぜ?」と問うことです。

私たちは、自分でも「よくなかったかなあ」と思っている行為に対して、「なぜ? どうして?」と聞かれたら、とっさに言い訳するようにできています。
Aさんは望んで言い訳したのではなく、父親に「言い訳を言わされた」のです。片づけないのはAさんに非があるにしても、言い訳をしたのは、Aさんのせいではなく、父親の質問のせいだったのです。

こういうやり取りが続いていったとして、Aさんが父親に何でも話してくれるようになるでしょうか。小学生の今ならいいとして、思春期になってもその関係が続いたなら、重大なコミュニケーションの問題が生じる恐れが大いにあります。Aさんの場合、その時期はもうそこまで来ています。

これが積み重なるとコミュニケーションのねじれが常態化します。子どもは、親に忖度(そんたく)したり、適当にあしらおうとしたり、あるいは無視したりするようになります。親子ですから、信頼関係がないわけではないはずなのに、なぜかやり取りがギクシャクする、という現象が起こるのです。