「定年退職したら、のんびり暮らしたい」。そう考えて、老後に向けて貯蓄に励んでいる人は少なくないでしょう。しかし、十分なお金と自由な時間があっても、必ずしも充実した毎日を送れるとは限りません。仕事を辞めた途端、何をすればいいのかわからず、生きがいを失ってしまう人もいます。では、老後も生き生きと暮らすためには、何が必要なのでしょうか。東大卒業後、コロンビア大学でMBAを取得し、日本マクドナルドCMO、Facebook Japan初代社長などを歴任。51歳から司法試験に挑戦し、57歳で合格した岩下充志氏の著書『夢をかなえる 勉強の地図』から、そのヒントを紹介します。
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人生を変えた出来事とは?
「定年退職したら、何をして過ごそう」
「仕事を辞めたあと、自分には何が残るのだろう」
「老後にやりたいことが、特に思いつかない」
年齢を重ねるにつれて、そんな不安を感じることはないだろうか。
若い頃は、仕事や子育てなど、目の前のことで精いっぱいだった。
しかし、50代、60代になると、少しずつ人生の後半戦を意識するようになる。
定年退職後の生活を考え、お金の準備を始める人もいるだろう。
もちろん、老後のためにお金を蓄えておくことは大切だ。
しかし、経済的な余裕があれば、それだけで充実した老後を送れるのだろうか。
東大、コロンビア大学MBAを経て、日本マクドナルドCMO、Facebook Japan初代社長などを歴任し、50代で司法試験にも合格した岩下充志氏は、著書『夢をかなえる 勉強の地図』のなかで、51歳のときに経験した、ある出来事を振り返っている。
51歳で、突然「新しい挑戦」を始めた理由
岩下氏は51歳のとき、日本IBMのCMOを退き、転職活動をしていた。
それまで数々の企業で重要な役職を担い、華々しいキャリアを築いてきた。
そんなある日、同年代の友人と飲んでいたときのことだ。
司法書士をしている友人が、突然こんなことを言い出したという。
「最近仕事がつまらないから、司法試験の勉強を始めようと思う」
その言葉を聞いた岩下氏は、思いがけない返事をしていた。
著書では、当時の出来事を次のように振り返っている。
きっと、私の心はパッションを持ってやりたいと思えること、お金ではなく心から生きがいを感じられる何かを探していたのだと思います。だから、友人のチャレンジに乗っかって、新しい世界に飛び込んでみたくなった。
――『夢をかなえる 勉強の地図』より引用
岩下氏が求めていたのは、収入を増やすことでも、会社での地位を高めることでもなかった。
心から夢中になれる何かを見つけることだったのだ。
老後に必要なのは、お金だけではない
老後の準備というと、真っ先に思い浮かぶのはお金のことだろう。
年金はいくらもらえるのか。貯金はいくら必要なのか。何歳まで働けば安心なのか。
もちろん、どれも大切な問題だ。
しかし、老後の生活を考えるうえで、もう一つ忘れてはいけないことがある。
それは、「自分は何をしているときに、心から楽しいと感じるのか」ということだ。
仕事をしている間は、毎日やるべきことがある。
朝起きて会社に向かい、同僚と話し、目の前の仕事をこなす。
忙しいときには、自由な時間が欲しいと思うこともあるだろう。
しかし、仕事を辞めた途端、そうした日常がなくなってしまう。
そのとき、何か夢中になれるものがあるかどうかで、毎日の過ごし方は大きく変わってくるはずだ。
50代からでも、人生は変えられる
「もう50代だから、今さら新しいことを始めても仕方がない」
そんなふうに考える人もいるかもしれない。
しかし、岩下氏が司法試験への挑戦を決めたのは51歳のときだった。
それまで法律を専門としていたわけではなく、友人の話を聞いて興味を持ったことがきっかけだった。
もちろん、誰もが難関資格に挑戦する必要はない。
大切なのは、年齢を理由に、自分の可能性を狭めないことだ。
老後に生きがいを失わないために、今からできること。
それは、将来のためにお金を貯めることだけではない。
自分が心から夢中になれるものを、探し続けること。
人生の後半戦を充実させるためには、そんな準備も必要なのではないだろうか。






