「人から頼まれたことは、最後まできちんとやり遂げたい」「一度決めたことは、途中で投げ出したくない」。そんなふうに考える人は少なくないでしょう。責任感が強く、何事にも真面目に取り組むことは大切です。しかし、若い頃から一生懸命頑張ってきた人ほど、年齢を重ねるにつれて、生きづらさを感じることもあります。では、「真面目に生きてきた人」が人生の後半で苦しくなってしまうのは、なぜなのでしょうか。『人生は気づかぬうちにすぎるから。』の著者クリス・ギレボー氏が、これからの人生をもっと楽に、豊かに生きるための考え方を語っています。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「真面目に生きてきた人」ほど、人生後半で苦しくなるのはなぜ?Photo: Adobe Stock

「こうあるべき」に縛られていないか?

「人から頼まれたことは、最後まできちんとやり遂げたい」
「一度決めたことは、途中で投げ出したくない」
そんなふうに考える人は少なくない。

仕事では責任を果たし、人との約束を守り、周囲に迷惑をかけないようにする。
もちろん、真面目に物事に取り組むことは大切だ。

しかし、そうした姿勢が行き過ぎると、いつの間にか自分自身を苦しめてしまうことがある。
たとえば、疲れていても、やるべきことが終わるまでは休まない。予定通りに物事が進まないと、自分を責めてしまう。

若い頃から当たり前のように守ってきた決まりごとが、年齢を重ね、生活環境が変わっても、自分を縛り続けてしまうのだ。
では、真面目に生きてきた人が、人生の後半をもっと楽に過ごすには、どうすればいいのだろうか。

自分のなかの「ルール」を見直す

そのヒントになるのが、次の言葉である。

自分を取り巻く「時間ルール」を認識する
まずは、現在あなたの日常生活を形づくっている時間ルールを列挙することから始めよう。たとえば、「メールにはその日のうちに返信する」といった個人的なルールもあれば、時間厳守や食事時間に関する社会的なルールもある。
時間ルールのリストができたら、それぞれのルールについて次の質問をしてみよう。

1.自分の幸せに役立ち、自分の価値観と一致しているか?
2.厳しすぎたり、柔軟性に欠けたりしていないか?/守れないときにストレスや不安のもとになっていないか?
3.違反したり、ルールを変更したりした場合はどうなるか?

次に、自分にとって望ましい時間との関係を反映した新しい時間ルールを作成する。このときに大切なのは、柔軟性を持たせることだ。そうすれば、やむを得ず計画から外れたときでも、自分に寛容でいられる。
さらに、生産性だけでなく、幸福感にも焦点を当てよう。たとえば次のように時間ルールを修正できる。

・休息は健康と生産性向上に欠かせない。だから、休息を優先し、自分を大切にする。
・完璧主義をつねに求める必要はないし、それをつねに実現できるわけではない。だから、自分や他者に過度な期待はしない。
・未来を不安に思ったり、過去にこだわったりはしない。マインドフルネスを意識して、目の前のことに集中する。
・定期的に目標と優先順位を見直す。それらが自分の価値観に沿ったものであることを確認し、必要に応じて調整する。

――『人生は気づかぬうちにすぎるから。「自分第一」で生きるための時間術』より

私たちは、知らず知らずのうちに、自分のなかにたくさんのルールをつくっている。
「メールはすぐに返さなければならない」
「決めた予定は必ず守らなければならない」
「何もしない休日を過ごしてはいけない」

こうしたルールは、仕事や生活を円滑に進めるうえで役立つこともある。
しかし、守ること自体が目的になってしまうと、少し予定が狂っただけでイライラしたり、十分に頑張っているのに「まだ足りない」と自分を責めたりするようになる。

大切なのは、そのルールが今の自分にとって本当に必要なのかを考えることだ。
真面目に生きてきた人が、人生の後半で苦しくなる理由。
それは、「こうあるべき」という自分のなかのルールを、必要以上に守り続けてしまうことではないだろうか。

年齢を重ねれば、体力も生活環境も、優先したいことも変わっていく。
それなのに、昔と同じように頑張ろうとすれば、無理が生じることもあるだろう。

疲れている日は、予定を変更して休んでもいい。すべてを完璧にこなそうとしなくてもいい。
これまで大切にしてきたルールであっても、今の自分に合わなくなったのなら、変えていいのだ。

真面目に生きることと、自分に厳しくし続けることは違う。
これからの人生をもっと豊かにするために、自分を縛っているルールを一度見直してみてはいかがだろうか。