「人から頼まれると、なかなか断れない」「誰かに嫌われるくらいなら、自分が我慢したほうがいい」。そんなふうに考える人は少なくないでしょう。周囲に気を配り、誰にでも優しく接することは大切です。しかし、人の期待に応えようと頑張っているのに、年齢を重ねるにつれて、大切な人との関係が薄れてしまうこともあります。では、「優しい人」なのに、年をとってから誰にも相手にされなくなる人には、どんな共通点があるのでしょうか。『人生は気づかぬうちにすぎるから。』の著者クリス・ギレボー氏が、人間関係を大切にするための考え方を語っています。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「優しい人」なのに、年をとってから誰にも相手にされなくなる人の共通点・ワースト1Photo: Adobe Stock

なぜ軽くみられるのか?

「人から頼まれると、なかなか断れない」
「誰かに嫌われるくらいなら、自分が我慢したほうがいい」
そんなふうに考える人は少なくない。

周囲に気を配り、困っている人がいれば手を差し伸べる。相手の都合を優先し、自分のことは後回しにする。
もちろん、人に優しくすることは大切だ。

しかし、誰にでも優しくしようとするあまり、本当に大切な人との関係がおろそかになってしまうこともある。
たとえば、職場で頼まれた仕事を断れず、家族との時間を削ってしまう。知人からの誘いを優先して、親しい友人との約束を先延ばしにする。

一つひとつは小さなことでも、そうした選択が積み重なれば、大切な人と過ごす時間は少しずつ減っていく。
年齢を重ねるほど、仕事や家庭の事情によって、人間関係は変化する。

だからこそ、誰にでもいい顔をするのではなく、本当に大切な人との関係を守ることが必要なのではないだろうか。
では、人に優しくしているつもりなのに、大切な人との距離ができてしまう人は、何を見直せばいいのだろうか。

他人より「自分」に時間を与える

そのヒントになるのが、次の言葉である。

 連絡手段をすべてリストアップし、そのうちの1つをやめられないか、検討してみよう。
これが難しいと感じる人もいるだろう。自分を他人からアクセスしにくくすることに抵抗を感じる人もいるかもしれない。
 そんな人は、連絡手段を減らせば、やるべきことに集中しやすくなることを覚えておいてほしい。
 ただし、1つだけ注意が必要だ。私は子どもなど、あなたを必要としている人への世話を減らすべきだと提案しているわけではない。減らすべきは、優先度の低い活動や人付き合いだ。その結果として、大切な人と関わる時間は増える。

――『人生は気づかぬうちにすぎるから。「自分第一」で生きるための時間術』より

誰かから連絡が来れば、すぐに返信する。誘われたら、できるだけ予定を合わせる。頼まれごとをされれば、自分の時間を削ってでも応えようとする。
そうした行動は、周囲から「優しい人」と思われるかもしれない。

しかし、すべての人に同じように時間を使おうとすれば、本当に大切な人のために使える時間は減ってしまう。
人間関係で大切なのは、どれだけ多くの人の期待に応えたかではない。
自分が大切にしたい人と、どれだけ向き合えたかではないだろうか。

年をとってから、大切な人とのつながりを失わないために、見直したいこと。
それは、「誰にでも優しくしなければならない」と考え、自分の時間を際限なく差し出してしまうことだ。

すべての誘いに応じる必要はない。すべての連絡に、すぐ返信する必要もない。
ときには断ることも、自分と大切な人との時間を守るために必要な選択だ。

誰にでも好かれようとするより、本当に大切な人を大切にする。
その積み重ねが、年齢を重ねても続く、あたたかな人間関係につながっていくのだろう。