「実は、不妊治療を受けています」。部下から突然そう打ち明けられたら、上司はどう返せばいいのでしょうか。とてもプライベートな話だけに、どこまで踏み込んでいいのかわからず、戸惑う人もいるでしょう。相手を気遣って「何かあったら相談して」と伝える人もいるかもしれません。しかし、よかれと思ってかけた言葉が、部下の求めている対応とは限りません。では、部下から「不妊治療を受けています」と言われたとき、上司が返すべき一言とは何なのでしょうか。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、その対応を解説します。
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約4組に1組の夫婦が経験している
不妊の検査や治療を受けたことがある、または現在受けている夫婦は22.7%。夫婦全体の約4.4組に1組にあたり、20年ほど前の12.7%から大きく増えています(厚生労働省「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」より)。
一方で、仕事との両立は簡単ではありません。
不妊治療をしたことがある人のうち、26.1%が両立できず、「仕事を辞めた」、「治療をやめた」、「雇用形態を変えた」といった選択をしています。4人に1人以上です。
「いつでも相談して」で終わらせない
不妊治療は、とてもプライベートな話です。職場で話すかどうか、何日も迷ってから口にする人もいるでしょう。
そんな相談を受けたとき、上司がやってしまいがちなのが、「そうなんだ。何かあったらいつでも相談して」と言って会話を終わらせることです。
優しい言葉に聞こえます。
でも部下からすると、勇気を出して話したのに、その先に進まないまま終わってしまう。「今が、その相談のつもりだったのに」と感じる人もいます。
上司が返したい一言
「話してくれてありがとう。仕事のことで、何か配慮したほうがいいことはある?」
まず、話してくれたこと自体を受け止める。そのうえで、仕事の面で何が必要かを聞きます。
両立を難しくしているのは、「通院にかかる時間が読めない」「指定された通院日に外せない仕事が入る」といった日程調整です。
本人が求めているのは、休みの取り方なのか。勤務時間やテレワークなど、働き方の調整なのか。業務量を少し減らしてほしいのか。あるいは「急に休むことがあるかもしれない」と、前もって伝えておきたかったのかもしれません。
職場の誰にどこまで伝えていいかも、あわせて確認しておくと本人も安心できます。
聞いてほしかっただけ、ということもある
具体的な配慮は求めていない場合もあります。事情を知っておいてほしかった。上司にだけは話しておきたかった。そういうケースです。
避けたいのは、上司が先回りして決めつけることです。
「負担を減らしてあげよう」と、本人に聞かないまま担当から外す。善意のつもりでも、本人が望んでいない配慮になることがあります。
「今のところは大丈夫です。知っておいてもらえれば」と返ってきたら、「わかった。急に通院が入っても、こちらで調整するから気にしないで」と一言添えておく。
本人が何を求めているのかを確認し、必要なときに動ける状態をつくっておく。これも、大事なリーダーのふるまいです。








