「毎日忙しく働いているのに、充実感がない」「仕事をリタイアしたあと、自分には何が残るのだろうか」。そんな不安を感じている人もいるだろう。一方で、同じように長い時間を仕事に費やしていても、人生に充実感を持てる人がいる。では、その違いはどこにあるのだろう。『世界の役員が教えてくれたこと――「仕事に追われる人生」で終わらない生き方』が、その答えを教えてくれる。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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忙しいのに「虚しさ」を感じる理由
朝からメールを確認し、会議に出席する。頼まれた仕事を片づけ、次々と発生する問題に対応する。気づけば夕方になり、今日も一日が終わっている。
もちろん、目の前の仕事を丁寧にこなすことは大切だ。
しかし、そんな毎日を何十年も続けた先に、ふと虚しさを感じてしまう人もいる。
「自分は、何のために働いてきたのだろう」
「これまでの人生で、何を成し遂げたのだろう」
毎日忙しく働いてきたはずなのに、振り返ると、自分が本当にやりたかったことが思い浮かばない。
それは、目の前の仕事をこなすことばかりに追われ、自分が何をしたいのかを考える時間がなかったからかもしれない。
「何をするか」よりも「何を決めるか」
では、人生に充実感を持っている人は、どのような考え方をしているのだろうか。
そのヒントになるのが、次の言葉である。
役員たちの日中の仕事を観察すると、意外なほど「やっていること」が少なく見えます。スケジュール帳は埋まっているのに、手を動かしている時間は驚くほど短いのです。
彼らが注力しているのは、主に3つだけです。
――『世界の役員が教えてくれたこと 「仕事に追われる人生」で終わらない生き方』より
多くの人は、「少しでも多くのことをこなす」ことが仕事だと考えがちだ。
一方で、役員たちは忙しく手を動かさない。
注力しているのは、「判断する」「言語化する」「影響力を行使する」ことだ。
それは本当に、「やる必要があるのか」を判断する。
何をやるか以上に、「なぜやるのか」を言語化する。
それを誰かが「気持ちよく引き受けてくれる」よう、影響力を行使する。
仕事ができる人ほど、目の前の仕事をこなすことだけに時間を使わない。それよりも、自分が何をするべきか、何をすべきでないかを考えることを大切にしている。
これは、仕事だけでなく、人生にも当てはまる考え方だ。
たとえば、誰かに頼まれたことを、何でも引き受けてしまう。予定が空いていれば、つい用事を詰め込んでしまう。そんな毎日を続けていると、自分が本当にやりたいことは、いつまでも後回しになってしまう。
老後、人生に虚しさを感じてしまう人は、目の前のことをこなすばかりで、自分が何をしたいのかを決めてこなかったのかもしれない。
判断し、言葉にし、影響を及ぼす。
この3つに集中していると、その人の仕事はしだいに量から質が問われるものに変わる。ただこなすだけではなく、胸を張って「成し遂げた」と言えるものに変わっていくのである。







