健康のために、青魚を積極的に食べたり、アマニ油を料理に取り入れたりしている人も多いでしょう。しかし、そんな健康習慣が、思わぬ落とし穴につながる可能性があることをご存じでしょうか? 実は、気をつけたいのは体重への影響だけではありません。書籍『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』の著者が、健康志向の人ほど見落としがちな“油の盲点”を解説します。

【脳の専門医が教える】「体にいい油」を摂る人ほど陥りやすい“意外な落とし穴”・ワースト1Photo: Adobe Stock

「体にいい油」をとる人ほど陥りやすい、意外な落とし穴

健康のために、サバやイワシを食べたり、アマニ油を料理にかけたりしている人もいるでしょう。これらに含まれる「オメガ3」は、血管の健康を考えるうえで大切な脂肪酸です。

しかし、「体にいいから」と積極的にとっていれば安心、というわけではありません。むしろ、食べ方によっては健康を損なう可能性もあるのです。

よかれと思って続けた習慣が逆効果に?

オメガ3が身体に良いからといって、脂質全体の摂取量が増えすぎることには注意が必要です。
――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』より

たとえば、いつもの食事に油を追加するだけでは、脂質や摂取カロリーが増えてしまいます。

脂質は1グラム当たり約9キロカロリー。たとえ良質な油でも、とりすぎれば体重増加につながりかねません。しかも、気をつけたいのは体重だけではないのです。

脳の中で起こりうる「思わぬ変化」

高脂質な食事が脳の「ミクログリア」に悪影響を与え、炎症を引き起こす可能性がマウスの研究で示されています(出典:Glia.2021 Jan;69(1):42-60.)。
――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』より

ミクログリアは、脳内の異物や不要なものを取り除くなど、脳の環境を守る役割を担う細胞です。ところが、マウスの実験では、高脂質の食事によって脳の「視床下部」に炎症に関連する変化が見られました。

視床下部は食欲や自律神経の調節に関わる重要な場所。ここで炎症が続けば、食欲のコントロールが乱れ、過食につながる可能性が指摘されています。ただし、マウスで見られた変化が、そのまま人間にも起きると断定はできません。

今日の献立で、何を変える?

健康な血管と脳を保つため、脂質は「量」と「質(バランス)」の両方に目を向けることが重要です。
――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』より

ポイントは、油を「足す」ことよりも、食材を「置き換える」こと。

たとえば、脂身の多い肉料理の回数を少し減らし、サバやイワシなどの青魚に替えてみましょう。揚げ物ばかりにならないよう、焼き魚や煮魚にするのも一案です。

食事を変えてもLDL(悪玉)コレステロール値が高い状態が続く場合は、自己判断せず、かかりつけ医に相談しましょう。健康づくりは、いいものを増やすだけでなく、全体のバランスを整えることから始まります。