「人に親切にしているのに、報われない」「いい人でいると、損ばかりしている気がする」「正直者がばかを見る世の中だ」。いい人ほど損をする、と感じたことがある人もいるかもしれません。しかし、幸福学の研究によれば、「いい人」は幸せだといいます。では、幸せになれるいい人には、どんな共通点があるのでしょうか? ウェルビーイング研究の第一人者である前野隆司氏は著書『幸せの人類史 なぜ「幸福」は人類を「不幸」にしたのか』の中で、心理学の研究から見えてきた「幸せな人」の姿について語っています。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「人生で幸せになれるいい人」の共通点・ベスト1Photo: Adobe Stock

いい人は損をする?

頼まれると、断れずに引き受けてしまう。
周りに気をつかいすぎて、疲れてしまう。
いい人でいることが、自分のためになっているのか分からない。

こんなことに心当たりはないだろうか。
前野隆司氏は、心理学の研究をまとめると、幸せな人には共通する特徴があると語る。

つまり、視野が広く、利他的で、創造性を発揮し、成長意欲が高く、誠実で、真面目で、やる気のある人が幸せなのです。これって、「いい人」ですよね。
逆は、視野が狭く、利己的で、創造性がなく、成長意欲がなく、不誠実で、不真面目で、やる気のない人。確かに、あまり幸せそうではありませんよね。要するに、倫理的で人格を磨こうとする人が幸せな人なのです。だったら、倫理的で人格を磨こうとする人になった方がいいに決まっています。

――『幸せの人類史 なぜ「幸福」は人類を「不幸」にしたのか』より

「人格を磨く人」は幸せ

ただし、ここでいういい人は、頼まれごとを断れない人のことではない。

ここまで、「いい人」が幸せだということを述べてきました。もちろん、いい人とは、お人好しという意味ではなく、やる気と包容力と誠実さがあってリーダーシップを発揮する人です。要するに、人格の優れた人が、幸せな人なのです。
――『幸せの人類史 なぜ「幸福」は人類を「不幸」にしたのか』より

「人生で幸せになれるいい人」の共通点・ベスト1。それは、人格を磨こうとしていることだ。

本書では、心理学者リフの研究も紹介されている。
自分がより良い人間へと成長しているという感覚は、人の幸福感と強く結びついているという。
人に合わせて我慢するのではなく、自分を高めようとする姿勢こそが、幸せにつながるのだ。

「いい人」でいよう

前野氏は、幸せは健康と似ていると言う。
体に良い生活がわかっていても、つい食べすぎたり夜更かししたりしてしまうように、人は自分をきちんと律しないと、短期的な楽を選んでしまいがちだ。

人の話を、最後まで丁寧に聞いてみる。
小さな約束でも、きちんと守る。
昨日の自分より少しだけ成長できたことを、一つ見つけてみる。

そんなちょっとしたことの積み重ねが、人格を磨くことにつながっていく。

お人好しになる必要はない。
自分を律し、人格を磨こうとする人こそが、人生で幸せになれる「いい人」なのだ。