「年齢を重ねるにつれて、職場で話しかけられることが減ってきた」「若手社員から距離を置かれている気がする」。そんな不安を感じている人もいるだろう。仕事の経験を積み、責任ある立場になったはずなのに、気づけば誰も相談に来なくなり、困ったときにも助けてもらえない。そんな孤立した状況は、決して他人事ではない。では、そんな将来を回避するには?『世界の役員が教えてくれたこと――「仕事に追われる人生」で終わらない生き方』が、その答えを教えてくれる。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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職場で「誰からも話しかけられない人」になっていませんか?
「最近、部下が必要最低限のことしか話してくれない」
「困っているときに、誰も助けてくれなくなった」
あなたも、そんなふうに感じたことはないだろうか?
なぜか周囲から人が離れていく人の共通点
私は以前、仕事が忙しくなるほど、周囲との会話を短く済ませようとしていた。
部下から相談されれば、「結論から話して」と伝える。資料を受け取れば、「確認しておきます」とだけ返す。急ぎの仕事を頼むときも、「これ、今日中にお願いします」で終わらせる。
もちろん、悪気があるわけではない。限られた時間で仕事を進めるために、無駄な会話を減らしているつもりだった。
しかし、あるとき気づいた。
以前は気軽に話しかけてくれていた同僚が、いつの間にか必要最低限の連絡しかしなくなっていたのだ。
雑談は減り、ちょっとした相談もなくなった。仕事は問題なく進んでいるように見えるのに、どこか職場の空気がよそよそしい。
「自分は何か悪いことをしたのだろうか」
そう考えても、思い当たることはない。
しかし、振り返ってみると、忙しさを理由に、周囲へのちょっとした気遣いを省いていた。
仕事を効率よく進めているつもりが、知らず知らずのうちに、人間関係を冷たくしていたのかもしれない。
どんなに忙しくても「省いてはいけない言葉」
では、どんなに忙しくても周囲から慕われる人は、何が違うのだろうか。
『世界の役員が教えてくれたこと』では、こんなエピソードが紹介されている。
一方で、同じように、あるいはそれ以上に多忙なはずの役員たちは、普通なら真っ先に削られるはずの「余計な一言」を、あえて削りません。
「助かります、ありがとうございます」
「さっきの資料、要点がきれいに整理されていましたね」
ごく当たり前の言葉であり、わずか数秒のことですが、その数秒が差し込まれるだけで、張り詰めていた空気は緩み、人々の表情に和やかさが戻ります。
ある役員は、重要な会議の直前、誰もが資料の数字を血眼になって確認しているような緊張した場面でも、担当者に「ここまでまとめるのは大変だったでしょう」「いい準備をしてくれてありがとう」と、ごく自然に声をかけていました。
――『世界の役員が教えてくれたこと「仕事に追われる人生」で終わらない生き方』より
この役員は、重要な会議の直前という、誰もが余裕を失いがちな場面でも、担当者への感謝を忘れなかったという。しかも、特別なことを言っているわけではない。
「ありがとう」
「助かりました」
そんな、ごく当たり前の言葉を添えているだけだ。
しかし、この一言があるかどうかで、相手が受ける印象は大きく変わる。仕事を頼まれる側も、自分の努力を認めてもらえたと感じれば、次も力になりたいと思えるだろう。
仕事ができる人は、忙しいときほど、人への感謝を省かないのである。
年をとって「誰からも話しかけられなくなる人」の特徴・ワースト1
年齢を重ね、職場での立場が上がるほど、人から仕事を頼まれる機会よりも、人に仕事を頼む機会が増えていく。
そんなとき、指示や要求ばかりを繰り返していると、周囲の人は少しずつ距離を置くようになる。
仕事はきちんとこなしてくれる。しかし、必要以上には関わろうとしない。困っていても、自分から助けようとは思ってもらえない。
年をとって「誰からも話しかけられなくなる人」の特徴・ワースト1は、忙しさを理由に、周囲への「ありがとう」を省いていることだ。
資料をつくってもらったら、「ありがとう」。
急な依頼に対応してもらったら、「助かりました」。
どれだけ仕事が忙しくても、感謝を伝えるための数秒くらいは確保できるはずだ。
当たり前の感謝を、当たり前に伝え続けている。
その習慣こそが、職場で孤立しないための大切な心がけなのではないだろうか。








