「退職したら、毎日何をして過ごせばいいのだろう」「仕事を辞めて、人と会う機会がなくなったら寂しい」。そんな不安を感じている人も多いだろう。実際、年齢を重ねるにつれて人付き合いが減ると、ひとりで過ごす時間は増える。しかし、同じようにひとりの時間を過ごしていても、人生をつまらなく感じる人と、心から充実した毎日を送る人がいる。では、その違いはどこにあるのだろう。『世界の役員が教えてくれたこと――「仕事に追われる人生」で終わらない生き方』が、その答えを教えてくれる。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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「ひとりで過ごす時間」を恐れていませんか?
「休日なのに、誰とも会う予定がない」
「一日中、ひとりで過ごすなんて寂しい」
あなたも、そんなふうに考えたことはないだろうか?
ひとりでいると、なぜか不安になる
私は以前、休日に予定が入っていないと、どこか落ち着かない気持ちになることがあった。
せっかくの休みなのだから、何かしなければもったいない。誰かと会ったり、買い物に出かけたり、話題の店に行ったり。そんなふうに、予定を埋めることばかり考えていた。
何も予定がない休日は、朝からスマートフォンを眺める。SNSを開けば、友人が旅行を楽しんでいたり、家族で出かけていたりする。
それを見ていると、自分だけが取り残されているような気がしてくる。
「みんな楽しそうなのに、自分は何をしているんだろう」
「このまま年をとったら、もっと寂しくなるのではないか」
そう考えて、無理に予定を入れることもあった。
しかし、人と会って帰宅しても、なぜか疲れている。楽しい時間を過ごしたはずなのに、心が満たされた感じがしない。
そもそも、ひとりで過ごす時間は、本当に寂しくて、つまらないものなのだろうか。
「孤独」を贅沢として楽しむ人たち
『世界の役員が教えてくれたこと』には、こんなエピソードが紹介されている。
ある役員は、半年に一度、ひとりで海の見える宿に泊まりに行くそうです。スマートフォンの電源を切り、窓辺の椅子に深く腰掛け、ただ海を見続けるのだとか。
「最初の数時間は頭の中がうるさいんですよ。会議の議題、来週の判断、誰かへの返信。やるべきことが次から次へと浮かんでくる。ところが半日もすると、不思議と頭が静まってきます。気がつくと、海の色が朝とは変わっていることに気づいたり、雲の流れに見入っていたりする。そこから先の時間が、本当に贅沢です。何も考えていないようでいて、じつはいちばん大切なことを考えている気がします」
――『世界の役員が教えてくれたこと「仕事に追われる人生」で終わらない生き方』より
この役員は、半年に一度、わざわざ時間をつくって、ひとりで海を眺めに行くという。しかも、食事と入浴以外は、本当に何もしない。本も読まず、テレビもつけず、ただ静かに過ごす。
ほかにも、夜中の高速道路をひとりでドライブする役員や、休日のカフェで誰とも話さずに3時間ほど過ごす役員がいるという。
彼らに共通しているのは、ひとりで過ごす時間を「寂しいもの」だと考えていないという点だ。
むしろ、誰にも邪魔されず、自分自身と向き合える贅沢な時間として大切にしているのである。
年をとってから「人生をつまらなく感じる人」の考え方・ワースト1
年をとってから「人生をつまらなく感じる人」の考え方・ワースト1は、「ひとりで過ごす時間には、価値がない」と考えてしまうことだ。
ひとりでいることを「寂しい」「つまらない」と考えていると、自由な時間が増えるほど、人生が味気なく感じられてしまう。
もちろん、人とのつながりは大切である。しかし、誰かと一緒にいなければ人生を楽しめないとしたら、幸せは他人の予定や都合に左右されてしまう。
ひとりで散歩する。静かなカフェでコーヒーを飲む。何もせず、窓の外を眺める。そんな時間にも、楽しみを見つけることはできる。
誰かと過ごす時間だけでなく、ひとりで過ごす時間も楽しめる人は、年齢を重ねても人生の楽しみを失わない。
孤独を恐れるのではなく、自分を取り戻す贅沢な時間として味わう。
それが、人生を豊かにする秘訣なのではないだろうか。








