アマゾンに迫るAI購入代行、メタ「ミューズ」登場が脅威に今年カリフォルニア州メンローパークで行われたメタ主催のカンファレンス発表されたミューズのアバター「ジョリー」
Photo: Jason Henry for WSJ

 米アマゾン・ドット・コムは長らく、インターネットで買い物をする多くの人にとって最初の立ち寄り先だったが、メタ・プラットフォームズが新たな選択肢を提示している。

 メタは9月、パーソナル人工知能(AI)エージェント「ミューズ(Muse)」を発表した。アニメのマスコットが登場し、旅行予約や予算作成といった作業もこなせる。爆発的な人気を博しており、メタによると、米国とカナダでは発表から1カ月半で1000万人超がミューズのエージェント設定を行った。

 アマゾンは、年間売上高で米国最大の企業であり、小売業者としても米国第2位だが、ミューズはますます厄介な存在となっている。ミューズは、アマゾンで最も収益性の高い事業の一つである広告事業を脅かす可能性がある。

 アマゾンは、アルファベット傘下のグーグルとメタに次ぐデジタル広告大手で、昨年の広告収入は700億ドル近くに達した。その大部分は、アマゾン利用者に対して表示される広告枠の販売から得られている。

 ミューズは、商品を検索して購入することで、人間による閲覧を事実上迂回(うかい)し、アマゾンの事業モデルを混乱させる可能性がある。AIエージェントは、人間の購買意欲を左右する広告に惑わされることなく、商品の詳細や価格を評価して購入する商品を決定する。AIエージェントによる購入が増えれば、企業側は、消費者の購買行動に影響を与えないアマゾンの広告枠を購入しなくなる可能性がある。