テキサス州オースティンで上院選の勝利を支持者と喜ぶジェームズ・タラリコ氏PHOTO: JABIN BOTSFORD FOR WSJ
【アトランタ】米国に新たな政治的現実が訪れた。共和党が世代を超えて握ってきた南部政治の支配が崩れ去ったのだ。
民主党は旧南部連合諸州を席巻し、数十年に及ぶ共和党の優位を一夜にして打ち崩した。ノースカロライナ、サウスカロライナ、バージニアの各州で連邦上院議席を獲得し、ジョージア州とテキサス州では連邦上院選と知事選の双方を制した。この地域全体で、長らく共和党が握ってきた州政府の役職や州議会も民主党側に転じた。
1982年を最後に民主党上院議員を選出していないミシシッピ州でさえ、なお予断を許さない状況にある。民主党のスコット・コロム氏は、共和党現職のシンディ・ハイドスミス氏と誰も予想しなかった接戦を繰り広げている。2年前に同州で20ポイント以上の差をつけて勝利したドナルド・トランプ大統領は先月、支持固めのために同州を再訪していた。
「あなた方は世界を驚かせた」。ラファエル・ウォーノック上院議員(民主、ジョージア州)は、選挙当日にアトランタ中心部のホテルで開かれた開票イベントで歓声を上げる聴衆にそう語った。「今夜、あなた方が歴史を作りつつあると言っても大げさではない」
ジョージア州での民主党の躍進は非常に広範囲に及び、副知事、州司法長官、州務長官のほか、農業委員から教育長に至る役職の選挙でも勝利した。また22年ぶりにジョージア州下院の過半数も制し、州上院でもあと一歩まで迫った。
今回の選挙結果は米国の政治地図を即座に塗り替え、共和党が長年頼みにしてきた諸州が2028年の大統領選で接戦州になり得るとの見方をもたらした。また、共和党のストラテジストらや活動家の間で責任の所在をめぐる非難の応酬も引き起こした。
「これは完全な、しかも当然の大敗だ」とジョージア州のベテラン共和党ストラテジスト、ライアン・マホーニー氏は述べた。「共和党の綱領はロナルド・レーガンの理念からトランプの理念へと書き換えられ、保守的でもなければ有権者が求めてもいないものになっている」
共和党が勝利した重要な選挙でさえ、驚くほど僅差だった。アラバマ州知事選は共和党のトミー・タバービル氏が4ポイント差で制したが、退任する共和党のケイ・アイビー知事は2022年の選挙で約38ポイントの差をつけて勝利していた。サウスカロライナ州では共和党のアラン・ウィルソン氏が、民主党のジャーメイン・ジョンソン氏との接戦の末に知事に選出された。トランプ氏の自宅があるフロリダ州の知事選も予想以上の接戦となり、共和党のバイロン・ドナルズ氏が民主党の対立候補を僅差で下した。







