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インキュベーションの虚と実

ベンチャーキャピタリスト覆面座談会
起業家も投資家もレベルを上げねば未来はない

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第36回】 2013年9月30日
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B 他社を当て馬にする起業家もいる。ウチに来る前に彼らに値段を出させて、「ジャフコさんはこのくらいの価格なんですよ」なんて言って、交渉の材料に使う。ウチだけでなく当て馬にされた方も迷惑だ。こんな起業家はかんべんしてほしい。

B それから、「ソーシャル内弁慶」ね。業界内の評価を上げることに躍起になっている起業家がいる。レガシー市場(法人など、個人の情報発信と縁が薄い顧客層)ターゲットなのに、フェイスブックにやたらご熱心とか。「こんな有名人とメシ食ってます!」とか「こんな投資家と知り合いになった」とか。フェイスブックのなかで大きく見せても、客はいないだろうに。

C 同じようなのが投資家にもいる。実績も成果もないのに、自慢話したり、投資先や起業家と飲んでるとか。フェイスブックやツイッターで頑張っても評価されないよ。

B そういう奴らがいると、エコシステムの品が落ちる。くだらないレベルの話で、どうでもいいんだけど、けっこう目につく。

A あと「偉そうペテン師」ね。知識がない人をダマすような奴らがいる。

B 若い起業家をだまして、株を取得して、他に売りつけて儲ける人もいるが、健全じゃない。

C それに、米国じゃ誰も知らない実績もない外国からのインチキ投資家が日本では受け入れられたりする。前から色々いるが、日本人は外人に弱い。

*  *

 「株価つり上げ族」については第28回でも記したが、これは投資家だけでなく起業家にもリスクを背負わせる。知識不足の起業家が多く、残念ながらこの現象は続くだろう。

 「ソーシャル内弁慶」は、これをビジネスモデルとしている起業家や投資家すらいるとか。とてもお勧めできない戦略だ。

 「エラそうペテン師」は無知を手玉に取り、エラそうに振る舞って、ポジションをとる人だ。この手の輩は今も昔もいる。評判につられる日本人のクセも一因だが、情報や経験がシェアされない日本のエコシステムの未熟さにも問題がある。

*  *

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本荘修二

新事業を中心に、日米の大企業・ベンチャー・投資家等のアドバイザーを務める。多摩大学(MBA)客員教授。Net Service Ventures、500 Startups、Founder Institute、始動Next Innovator、福岡県他の起業家メンター。BCG東京、米CSC、CSK/セガ・グループ大川会長付、投資育成会社General Atlantic日本代表などを経て、現在に至る。「エコシステム・マーケティング」など著書多数。訳書に『ザッポス伝説』(ダイヤモンド社))、連載に「インキュベーションの虚と実」「垣根を超える力」などがある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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