自分の夢や志を実現するには「いつか起業を!」ではなく「いまから起業準備を!」のスイッチを入れることが肝心。上場準備コンサルタント・監査役としてユニクロ、アスクル、UBICなど多くの成長企業の躍進を支えてきた安本氏が、現場を知り尽くした立場から起業の秘訣を明かします。今回は、多くの起業家が悩む「ビジネスのタネの見つけ方」についてです。
起業するなら「独立変数型」のビジネスが望ましい
最近は、日本で起業する外国人が今までになく増加しているようです。
外国人留学生の増加がその主な要因とのことですが、外国人は母国に存在するサービスや商品について、日本との「違い」や「良さ」を生活するなかで再認識して、それをもとに起業するケースが多いです。また、日本の個人消費の市場規模は大きく、日本国内でも米国のベンチャーに負けないビジネスを生み出せるとして、インターネット系の起業も増えているといいます。
起業するときに、自分が生涯を賭けられる事業をすでに見つけていれば問題ありません。会社員のときに携わっていた事業でも、親から引き継いだ商売でもよいですが、まったく1から始めるとなると、それに賭けられるビジネスのタネを見つけなければなりません。
今まで勤めていた会社と同じ商売を始めるとしても、見慣れた店舗や顧客との会話など、「普段のありふれた風景」のなかから「何かに気づく」かどうかが成功するカギだと思います。普通にある展示方法や接客方法の「ここをこう変えたらいいかも!」と気づいたら、勝算ありです。イノベーションは「気づき」から起こるのです。
できれば今までにない独自の商品・技術・サービスとなるようなビジネスで、なおかつお客様が必ずついてくれそうなものを起業できれば最良ですが、そう簡単にはいきません。また、ある企業の100%下請けのような「従属変数型」事業ではなく、自分が決めたことからすべてが動き出すような「独立変数型」の事業が望ましいといえます。