国民年金の納付率は、2002年度に70%を割り込んでから低迷が続いている。

 2011年度には過去最低の58.6%を記録。2012年度は7年ぶりに上昇して、59%になったが、年齢別で見ると若年層の納付率は低い。55~59歳は72.2%なのに対して、20~24歳は51.3%、25~29歳は46.8%と半数程度が未納だ。

 年金は、どうしても「老後の生活を支えるもの」というイメージが強いため、若い世代の人が年金の必要性を実感できないのも分からなくはない。

 だが、公的な年金制度に備わっているのは老後の保障だけではない。加入者が死亡した場合に残された家族に給付される「遺族年金」、病気やケガをして心身に障害が残った場合に給付される「障害年金」も備わっている。これらは、若い世代にとっても重要な保障だ。

障害年金の保障範囲は
思っているよりも広い

 公的年金の3つの保障の中で、病気やケガをしたときに強い味方となるのが障害年金だ。

 その障害の原因となった病気やケガで、はじめて医師の診察を受けてから1年6ヵ月たっても回復の見込みがなく、障害が固定した場合にもらえる可能性がある。

 職業に関係なくもらえるのが障害基礎年金で、障害の程度に応じて1級、2級があり、子どもがいる人には上乗せの給付もある。会社員は、この他に障害厚生年金が上乗せされ、こちらも1級、2級、3級によって、もらえる金額が異なる。